千と千尋の神隠し/釜爺(かまじい)正体・モデルは?声優や名言セリフまとめ!

千と千尋の神隠し
引用:https://www.ghibli.jp/works/chihiro/
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2001年公開のスタジオジブリ作品『千と千尋の神隠し』。

千尋の成長を見守る存在のキャラといえば、やはり、釜じい(かまじい)ではないですか?

本人いわく"風呂釜にこき使われているジジイ"です。

とはいえ、油屋では重要な職務に尽力しているおじいさん。

よくネット上では、クモのような容姿から"くもじい"なんて呼ばることも。

でも実は、クモではないのです。

今回は、優しさだけではない、釜爺(かまじい)の深い人間力?神様力?に迫ります!

どうぞ、最後までお読みくださいね。



千と千尋の神隠し/釜じい(かまじい)の正体は?昔は人間だった?

釜爺の正体は、宮崎駿監督自身の願望を表した姿ではないかといわれています。

映画『千と千尋の神隠し』の公開時、宮崎駿監督は60歳。

当時のサラリーマンなら定年を迎えている年齢だと思います。

そんな自分の働く姿を投影し、釜爺というキャラクターを作り上げたのかもしれませんね。

 

釜爺のお仕事は、銭湯である油屋のいわゆるボイラー係です。

でも、単にお湯を沸かすなどのお仕事だけではなさそう。

薬湯の調合の注文にも応えるなど、油屋のきめ細やかなサービスは、釜爺の存在なくしては不可能!

ホント、とっても重要な職務に就いている存在でなのあります。

こうやって釜爺のキャラクターを考えていくと、スタジオジブリにおける宮崎駿監督の存在と、似ている部分はあるのかな?と思ってしまう私です。

あなたはどう感じますか?



では、釜爺は神様なのでしょうか?それとも、昔は人間だったのでしょうか?

釜爺はストーリー中、魔法を使っていないこと。
釜爺だけ、人間臭いと言わないこと。

どうです?たしかに!って思いませんか?

リンや父役・兄役のカエル達は、千尋が油屋に入り込んだ時"人間臭い"と語っていました。

でも、釜爺は人間臭さに反応していなかったですよね。

もしかして、釜爺は千尋の両親のように、湯婆婆の魔法によってザトウムシにされてしまったのかな?

と、ついそんなことを深読みしてみました。(全くの妄想ですが)

 

でも、釜爺が最初に千尋をみたあのシーン。

遠くから二度見する程度で、すでに人間であることを認識していた様子。

そこで人間臭くても黙っていたのかもしれませんね。

また、リンに対して「わしの孫だ」とも答えていました。

仕事には厳しいながらも、愛情深いキャラクターであることがわかります。

 

そして宮崎駿監督も非常に愛情深い方だ!というエピソードをご紹介しましょう。

ラジオ番組「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」(Podcastで鈴木敏夫プロデューサーが語っています。

 

宮崎駿監督は、念願の保育園(3びきのくまの家)をスタジオジブリの近所につくりました。
そこの園児が、父兄の職場であるスタジオの制作現場に遊びに来ることがあったそうです。興味津々に職場を覗き込む園児たち。
そこで宮崎駿監督は、こっそりエプロンのポケットから取り出した飴玉をあげちゃうようで・・
そんなお爺ちゃん的な姿はまさしく釜爺とリンク!
その光景を想像すると、とても微笑ましいエピソードですね。

お爺ちゃんお婆ちゃんって、孫のかわいさ余って、つい親が与えてはいけないと思っている食べ物をあげたがりますよね。

それを知りつつ、こっそりあげるという宮崎駿監督もまた可愛らしいです。

 

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千と千尋の神隠し/釜爺(かまじい)のモデルは蜘蛛?足の数が違う!?

釜爺については、よく"蜘蛛(クモ)のようだ"といわれますよね。

でも実は、釜爺のモデルは蜘蛛ではなくザトウムシという昆虫なんです。

大きな違いは足の数。蜘蛛は8本、昆虫であるザトウムシは6本

 

座頭(ざとう)という名前の由来は、長い足で前を探りながら進む姿が、盲人の歩く姿にみえることからきているとのこと。

釜爺の足は6本です!

ザトウムシの足の長さは変わりませんが、釜爺の足は伸縮自在。

 

ハクが銭婆の式神に襲われながら油屋に戻ってきたあのシーン。

釜爺は手足をゆっくり伸ばしてハクに布団をかけてあげています。

ほんとうに普通のお爺ちゃんですよね。

 

つづいては、かまじいを演じたキャスト声優についてみていきましょう!



千と千尋の神隠し/釜爺のキャスト声優や名言(セリフ)をご紹介

釜爺のキャスト声優は、菅原文太(すがわら ぶんた)さんです。

1933年生まれ、宮城県仙台市のご出身。
映画『仁義なき戦い』シリーズや『トラック野郎』シリーズなど、たくさんの映画作品に出演され俳優としての地位を確立されました。

個人的には、私も大好きな俳優です。

また、テレビドラマ(NHK大河ドラマなど)やCMに出演すると、これまでのヤクザ映画などで見たイメージとは違う雰囲気がとても印象的でした。

 

そして『千と千尋の神隠し』でキャスト声優を務めた時、菅原文太さんは68歳。

宮崎駿監督は、この釜爺にとてもこだわりを持っていたと鈴木敏夫プロデューサーがラジオ[鈴木敏夫のジブリ汗まみれ]で語っています。

 

宮崎駿監督と「釜爺の声を誰にしよう?」となったときに真実味のある俳優さんでなければならない。

そう感じた鈴木敏夫プロデューサーは、迷わず菅原文太さんを挙げたそうです。

 

菅原文太さんが『千と千尋の神隠し』以外にご出演されているスタジオジブリ作品は『ゲド戦記』です。

こちらも、やはり"真実味"がなければ務まらないと感じるゲド役を演じました。

必見です!!!

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釜爺の名言①「わからんか。愛だ、愛。…」

ではなぜ、釜爺は"真実味のある俳優"が演じなければならなかったのでしょうか?

それはこのセリフに集約されています。

 

もともと菅原文太さんの大ファンであった鈴木敏夫プロデューサー。

菅原文太さんの演技に絶大なる信頼を寄せていたことがわかるエピソードですね。

 

たしかに、このシーンは千尋とハクの気持ちを、釜爺が代弁しているようです。

それにスタジオジブリ作品で"愛"という言葉がストレートに出てくることも少ないと思います。

だからこそ、宮崎駿監督は、釜爺に対してとても強い思い入れを持っていたんですね。

 

ちなみに菅原文太さん、収録時はほとんどのセリフを自分の中に入れて(台本を読み込んで)臨んだとのこと。

鈴木敏夫プロデューサーによると、このセリフは一発でOKだったようですよ!

 



釜爺の名言②「えんがちょ!せい、えんがちょ!」

 

この"えんがちょ"の意味ご存知ですか?

今では、もうすっかり使われなくなった言葉ですが、私の幼い頃はよく使いました。

 

えん(縁)が(を)ちょ(ちょん切る)。

 

穢れ(けがれ)との縁を切るときに"えんがちょ"と言って、ちょん切ってもらっていました。

たしかに、いまの子ども達は、けがれを切るなんてこと、理解できないかもしれませんね。

 

私が思うジブリ作品の良さは、子どもの語彙が増えること!

コレほんとです。

"えんがちょ"のような言葉をきっかけにして、子どもがさまざまな言葉に興味を持つ。

これこそ、ジブリ作品の醍醐味と言えるでしょう。

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千と千尋の神隠し/釜じいの部屋にはモデルがあった

忙しく働く釜爺の部屋は、とても機能的で効率よく薬の調合ができるようになっていますよね。

実はこの部屋、東京都小金井市にある「江戸東京たてもの園」にある文房具屋"武居三省堂"がモデルなのです。

 

この施設は、宮崎駿監督のお気に入りの場所で、よく足を運ばれているとのこと。

 

そして、スタジオジブリ公式でも『千と千尋の神隠し』で大いに参考にした場所として紹介されています。

 

宮崎駿監督の想像力のスゴさは、どの作品を見てもわかりますよね。

その想像力を働かせるための頭の中の整理力は想像力以上の凄さだなぁと、この武居三省堂をみて感じました。

 



千と千尋の神隠し/釜じい(かまじい)の愛の意味は深い

宮崎駿監督は、釜爺というキャラクターにものすごくこだわりを持っている。

これは鈴木敏夫プロデューサーが語っていますが、それはどうしてなのでしょうか?

"愛"という言葉を言わせるほどのキャラクターです。

私も少し思いを馳せてみました。

釜爺に対する宮崎駿監督の想い

これは、あくまでも私の個人的な考えなので、お許しいただきたいのですが(汗)

宮崎駿監督が、これまでの記者会見で、アニメーション映画を作るうえで、残したいメッセージについて

「この世は生きるに値する、ということを子どもに伝える」ことだと、語っています。

千尋は当初、ハクに教えられた「ここで働きたいんです!」を言うだけで精一杯な10歳の女の子でした。

それが次第に自分で自分の言葉を言えるようになっていきます。

たとえば、カオナシに対してのあのセリフ。

「あなたは、私の欲しいものは出せない」

これまでの"千尋"とは違い、凛とした姿がとても印象的です。

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親が豚になる前の「千尋」は、親に依存する女の子でした。

その後、湯婆婆に名前を奪われた「千」。

そこからは、

自分の意志で自分の行動を決められる女の子になっていきます。

 

これまで、ずっと親に依存していた千尋。

千尋の課題解決力を上げるためには、さまざまな試練も必要なことだったでしょう。

その渦中で釜爺のような"心休める場所がある"のは、とても大きいことだと思います。

頑張れるんだけど、たまにゆっくりしたいという気持ち、大人にもありますよね。

宮崎駿監督は、釜爺を人情味あふれるキャラクターとして描いています。

それは釜爺のセリフの随所にあらわれています。

 

私は、千にとって釜爺は、大きな心の港となっていたのだな、と感じています。

 

「あそこに寄港すれば休める」というキャラクターが必要だ。

宮崎駿監督はそんなことを考えていたのではないかと思っています。

休める場所があるからこそ、ハクに対しての思いを素直に吐露することもできたのでしょう。

釜爺のほか、あの苦団子をくれたオクサレ様も千の心に何かを宿してくれたように感じています。

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私は、子どもを育てるうえで"逃げ場を作ること"がとても大事だと思っています。

もし両親共に、子どもに口うるさくいうような環境だったら・・・

きっと、子どもは息が詰まってしまうでしょう。

そこにおじいちゃんやおばあちゃんのような"無償の愛"をくれる存在。

そんな存在があれば、子どもはホットしますよね。

我が家の子どもも、実家に帰ると羽の伸ばし方がすごいです。

そんな姿を見ていると、おじいちゃん・おばあちゃんの存在は大事なんだなぁと感じるんですよね。

そして、千尋は銭婆の家から帰ってきた後、湯婆婆のことを"おばあちゃん"と呼びます。

 

あらためて、スタジオジブリ作品の奥深さに触れたことで、心が優しくなった気がします。

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いかがですか?

いろいろ感じるところもあったと思います。

でも私は、千尋の心の成長過程を見事に描ききっているところに『千と千尋の神隠し』のスゴがあるのではないかと感じています。

 

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千と千尋の神隠し/釜爺(かまじい)の正体・モデル・声優|まとめ

・釜じいの正体は、宮崎駿監督自身の願望を表した姿ではないか?
・釜爺のモデルは、足の数の違いで蜘蛛ではなく、ザトウムシ。
・釜爺のキャスト声優は、菅原文太(すがわら ぶんた)さん。
・釜じいの部屋モデルは「江戸東京たてもの園」の武居三省堂。
・釜爺の名言は「わからんか。愛だ!愛・・・」「えんがちょ!せい、えんがちょ!」。
・釜爺の愛の意味は、千尋の心の成長を遠くから見守る、深く大きいもの。
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