1997年に公開された『もののけ姫』は、興行収入193億円を突破した大ヒット映画です。
テレビで放送されると、つい見てしまいますよね。
でも、あらすじがチョットわかりづらくありませんか?
『もののけ姫』は「自然と人間」をテーマにしている作品で、少し難しく感じる人もいるかもしれません。
そして、登場するキャラクターについても、わかりづらい部分が多い作品でもあります。
そこで、今回は『もののけ姫』のあらすじを登場人物(キャラクター)の説明とともに、わかりやすく簡単な言葉で解説します。
一言では伝えきれない『もののけ姫』のあらすじは、各シーン別に注目ポイントとして挙げました!
一部ネタバレもありますが「『もののけ姫』ってどんな内容だったかな?」と思った方は、どうぞ最後まで読んでみてくださいね。
『もののけ姫』あらすじの前に おもなキャラクターを紹介
『もののけ姫』には、さまざま魅力的なキャラクターが登場します!
あらすじをわかりやすく解説するために、主要なキャラクターをご紹介します。
『もののけ姫』の主人公。エミシ一族の長になるはずだった少年。タタリ神の呪いを右腕に受けて、旅に出る。
シシ神の森でモロに育てられた少女。森を荒らすエボシたち人間を憎んでいる。
森を切り開いて、鉄を作るタタラ場を率いている女性。豊かな国を作るためにシシ神の森も切り開こうとしている。
師匠連という、天皇直下の組織の一員。シシ神の首を狙っている。
シシ神の森を守っている300歳の犬神。サンを娘として育てた。森を切り開くエボシの命を狙っている。
山犬の兄弟。サンとともに行動している。
アシタカの相棒の大カモシカ。
500際になる猪神。鎮西(九州)から海を渡ってシシ神の森に来る。
生物に命を与えたり、奪ったりすることができる神。昼はシカの姿をしており、夜は大きな体を持つデイダラボッチとなる。
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『もののけ姫』あらすじをわかりやすく解説!
では、ここから『もののけ姫』のあらすじを、わかりやすくお伝えしていきます!
シーン別に、ここに注目してほしいポイントを挙げていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
あらすじ 〜旅立ち〜
深い森があり、神たちがすんでいる日本の室町時代のような国が舞台。
東の山奥にあるエミシと呼ばれる村に、アシタカという少年がいました。
ある日、エミシの村に向かって、ヘビのような触手おおわれたタタリ神が現れます。
アシタカは、相棒のヤックルに乗って、タタリ神を止めるべく、説得を試みるのです。
暴れまわり、止まらないタタリ神にアシタカは弓矢を放ちます。
そして、タタリ神を倒すことはできましたが、右腕にタタリ神の呪いを受けてしまうのです。
その呪いは、やがてアシタカの命を奪ってしまうほどの強力なものでした。
タタリ神の正体は、西の猪の神で、その体から鉛のつぶてが出てくるのです。
西で何か不吉なことが起こっていると確信するアシタカ。
そして、その原因がわかれば、自分にかけられた呪いのこともわかるかもしれないと助言をもらうのです。
アシタカはヤックルに乗り、村を旅立ちます。
ここに注目!
この「旅立ち」で注目して欲しいところは、アシタカの強さです。
アシタカの強さを『もののけ姫』の序盤で見ることで、一気に物語に引き込まれます!
タタリ神から呪いを受けたアシタカは、自分が呪いによって死んでしまうことを知ります。
でも、アシタカは死ぬことについて、恐れることも、後悔することもありません。
村を守るためにやったことと死ぬ運命を受け入れているアシタカの強さがとてもかっこのいいです!
さらに死ぬ運命を受け入れながらも、その運命に立ち向かうために、村を旅立つ決意をするところもアシタカの強さを表していますね。
最初の旅立ちのシーンを見るときは、自分の運命を受け入れられるアシタカの強さにぜひ!注目してください。
アシタカにかけられた呪いについて、詳しくはこちらの記事をどうぞ!
アシタカにかけられた呪いとは?死に至るあざが消えないワケや断髪の意味を検証
あらすじ 〜シシ神の森へ〜
西へと旅をしているアシタカは、町でジコ坊という怪しい僧侶のような男に出会います。
アシタカはジコ坊にタタリ神のことを話し、鉛のつぶてを見せます。
西のさらに西にある、シシ神と呼ばれる神がいる森に行けば、何かわかるかもしれないとジコ坊は、アシタカに助言をします。
アシタカはジコ坊から聞いた話を頼りに、シシ神の森を目指すことにするのです。
一方そのころ、
山の中を移動していた、タタラ場を率いるエボシ御前とその一行を、山犬のモロと人間の少女であるサンが襲います。
エボシたちは被害を受けますが、石火矢でをモロたちを撃退したのです。
川沿いを移動していたアシタカは、モロたちによって川に落とされたタタラ場の人間たちを発見します。
息のある人間を助けていたアシタカたちの近くに、モロやサンが現れます。
アシタカはサンたちに呼びかけますが、サンたちは川を後にするのです。
その後アシタカは、助けた怪我人と一緒にタタラ場を目指します。
アシタカたちは近道である森の中を進み、シシ神がいる池に辿り着きます。
そのとき、遠くにシシ神の姿がアシタカの前に現れますが、すぐにいなくなってしまうのです。
ここに注目!
この「シシ神の森へ」で注目して欲しいのは、こだまです。
『もののけ姫』の中では、こだまはとても不思議な存在です。
見た目や動きは独特で、かわいいような、怖いような感じがしますね。
アシタカが川沿いで、タタラ場の人を助けているときに、こだまは現れます。
作中、こだまが人間たちと関わるのは、アシタカたちがシシ神の森を通るときだけです。
その後こだまは、『もののけ姫』の物語には深く関わっていません。
でも『もののけ姫』の最後のシーンでは、こだまが一匹現れて、物語は終わります。
このように、こだまは『もののけ姫』の中で、とても重要なキャラクターではないかと思ってしまう存在です。
ぜひ!「シシ神の森へ」で出てくるこだま、必見です!
こだまって実在するの!?思ったら、会ってみたいものですよね。
こちらの記事に詳しく解説しています👇
『もののけ姫』白いやつの名前はコダマ!怖いんだけど実在する?
あらすじ 〜タタラ場〜
森を抜け、アシタカたちはタタラ場に辿り着きます。
タタラ場の人を助けたアシタカは、エボシたちに歓迎され、タタラ場を案内されます。
タタラ場は、森を切り開いて、鉄や武器を作っている場所でした。
そこで自分の村を襲ったタタリ神の体にあった鉛のつぶては、エボシが撃ったものだとアシタカは知るのです。
アシタカは激しい怒りを感じていました。
でも、タタラ場で暮らしている人にとって、エボシとタタラ場はなくてはならない存在だと感じていたアシタカは、怒りの矛先をどこにむけていいのかわからなかったのです。
そしてその夜、サンがタタラ場を襲撃します。
タタラ場の人はサンを「もののけ姫」と呼び、もののけ姫を迎え撃つのです。
タタラ場に侵入したサンは、命を狙っていたエボシと一騎打ちをすることに。
サンを助けたかったアシタカは二人の一騎討ちを止め、サンを連れてタタラ場を出ます。
そのときアシタカは、石火矢で撃たれてしまいます。
アシタカはタタラ場を出られましたが、瀕死の状態でした。
ここに注目!
この「タタラ場」で注目して欲しいのが、甲六(こうろく)とトキの夫婦です。
甲六とトキの夫婦の関係が、タタラ場にいる女性の強さを表現している部分に注目です。
アシタカに助けられた甲六は、妻のトキに歯向かうことができません。
この二人のやりとりが、タタラ場の女性と男性の関係を表しているといえるでしょう。
タタラ場では女性の数が多く、エボシがタタラ場の上に立っています。
そのため、タタラ場は女性が強い立場にいるのです。
タタラ場に侍が来たときも、女性が石火矢を撃って、侍を追い返しています。
そして男たちは、肩身が狭そうにご飯を食べているシーンもあります。
このようにタタラ場では、女性の方が強い立場にいるんですね。
そのことを、甲六とトキとのやりとりでも見ることができます。
甲六の情けない弱い部分と、トキのたくましい強さに注目して見て欲しいです!
タタラ場の魅力をこちらの記事でまとめています!
『もののけ姫』たたらばの場所はどこ?子供がいない理由や歌の意味を徹底解説!
あらすじ 〜サンとアシタカ〜
サンはアシタカが自分に好意を持っていることを知り、瀕死のアシタカを助けるために、シシ神がいる池に運びます。
命を与えることや奪うこともできるシシ神はアシタカの前に現れて、アシタカを助けました。
そしてサンは動けないアシタカの世話をするのです。
タタリ神になった猪の仲間である猪神の乙事主とその一族が、人間に復讐するためにシシ神の森にやってきます。
鉄を狙った侍たちと戦争をしていたエボシに、ジコ坊が帝(みかど)の書きつけを持ってきます。
その内容は、シシ神退治をすることでした。
ジコ坊たちの狙いは、シシ神の首にある言われている不老不死の力だったからです。
エボシは石火矢衆をジコ坊たちから借りており、シシ神退治に協力するしかありませんでした。
シシ神退治のために、ジコ坊や怪しげな人々と一緒に、エボシは男たちを連れて、タタラ場を後にします。
そして、アシタカは、森で体力を回復させるのです。
その間アシタカは、森と人が争わずに生きる方法をないかと悩んでいました。
サンを森と人との争いに加わってほしくないアシタカですが、サンは人の生贄(いけにえ)として、森に投げ込まれた事実をモロから聞くのです。
サンは人間にも、山犬にもなれない存在だったのです。
モロはアシタカに“お前にサンを救えるのか”と問い、山から立ち去るように忠告します。
翌朝アシタカの元から、サンやモロはいなくなっていました。
この「サンとアシタカ」で注目して欲しいところは、アシタカのサンに対する思いです。
アシタカはサンに対して「美しい」と語ったり、モロにサンを戦いに巻き込まないでほしいという考えを伝えています。
このようにアシタカはサンに、好意を寄せる言動をしています。
「サンとアシタカ」の部分では、アシタカのサンに対する思いが強くなっています。
そして、サンのアシタカに対する思いも、一緒にいる中で、嫌いな人間ではなく、好きな人間に少しずつ変わっています。
アシタカは、森と人が争わないで済む方法はないかと悩みますが、その気持ちの中には、サンが争わないで済むようにしたいという気持ちもあったかもしれませんね。
「サンとアシタカ」の部分で、アシタカのサンに対する思いが見られるので、ぜひ注目です!
サンとアシタカ、その後について考察しています!
『もののけ姫』サンとアシタカのその後!お面や顔の模様の意味を考察
モロについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をオススメ!
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あらすじ 〜もののけと人の戦い〜
ジコ坊たちは、乙事主たちを罠にかけるために、匂いをわからなくする煙を森に放っていました。
その思惑は、乙事主たちの被害を大きくして、シシ神に助けを求めさせることです。
ジコ坊たちの様子を見ていたサンは、モロと分かれ、乙事主がいる場所へと向かいました。
もののけと人間との戦いが始まろうとする中、アシタカは考え込みながら、タタラ場へと足を運びます。
そこでアシタカは、タタラ場が鉄を狙う侍たちに襲撃されていることに気づくのです。
アシタカはこのことをエボシに伝えるためにシシ神の森へと急ぎます。
途中にアシタカは、ジコ坊たちの罠である爆弾により死んでしまった多くの猪の死体を発見します。
そして、猪の死体の中に、モロの子の山犬が下敷きになっていました。
山犬を助け出したアシタカは、山犬と一緒にサンのもとへと急いだのです。
それは、サンがいる場所にエボシもいるから。
サンは深い傷を負った乙事主たちと一緒に、シシ神の池へと向かっていました。
途中、力がつきてしまった乙事主は、体からヘビのような触手が出てきて、タタリ神になってしまいます。
そばにいたサンも、タタリ神の触手から抜け出せなくなっていました。
この「もののけと人の戦い」で注目して欲しいところは、猪の死体から山犬を助けるために、タタラ場の男たちが手伝う場面です。
このシーンでは、森と人が争わない世界が見えたように感じられます。
山犬は人間に憎しみを持っており、今までタタラ場の人を襲ってきました。
タタラ場の人も山犬など獣(けもの)たちに恐れや憎しみを抱いています。
でも、タタラ場の男たちは、エボシを見つけるために山犬を助けるのです。
目的のために人間は、山犬を助けることができること示しています。
つまり、山犬を助けた人間と人間に助けられた山犬がいることによって、これから先、森と人が争わない世界のきっかけになるでは、と思いませんか。
ぜひ、山犬を助けるために人間たちが手伝うシーンは注目です。
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あらすじ 〜シシ神の首〜
アシタカはシシ神の池の近くでエボシを見つけ、タタラ場の危機を伝え、シシ神退治を止めるよう忠告します。
しかしエボシはこれを聞き入れず、シシ神退治を続けるのです。
その後アシタカは、シシ神の池に向かい、タタリ神となった乙事主に出くわします。
サンがタタリ神の触手の中にいることに気づいたアシタカは、サンを助けようとしますが、触手に邪魔をされてしまうのです。
シシ神の池に横たわっていた、モロが最後の力をふりしぼり、タタリ神からサンを救いだします。
そのとき池にシシ神が現れて、タタリ神になった乙事主の命を奪うのです。
そのままシシ神は、夜の姿であるデイダラボッチになろうとします。
シシ神がデイダラボッチになる瞬間に、エボシが石火矢で首を吹き飛ばしました。
体だけになったシシ神の体内から、黒くドロドロした物体が周囲に飛び散っていきます。
そして、その物体は森を枯らしていき、人や生き物の命を奪っていったのです。
エボシが、ジコ坊にシシ神の首を渡した直後、モロはエボシの右腕を食いちぎりました。
自分の首を探している、黒いドロドロした物体から、逃れることができたアシタカは、エボシを助けます。
サンは、エボシを助けることに反対するが、アシタカが説得をします。
そして二人は森を助けるために、シシ神の首をシシ神に返すことを決意するのです。
アシタカとサンは、必死の思いで、シシ神の首を持って逃げているジコ坊を追いかけ、首を取り戻します。
そして、その首をシシ神に返すと、デイダラボッチの姿になったシシ神は、朝日を浴びて倒れるのです。
すると同時に、強烈な風を巻き起こすして、シシ神は消えていくのでした。
すると、枯れていた山々に緑の草木が、芽生えはじめました。
そして、アシタカはタタラ場で、サンは森で生きることを、二人で決めるのです。
タタラ場に戻ったエボシは、残ったタタラ場の人と一緒にいい村を作ろうと話していました。
この「シシ神の首」で注目して欲しいところは、首を求めてデイダラボッチとなったシシ神が暴走するところです。
デイダラボッチの黒いドロドロしたものが、あらゆる命を奪っていくところは、地獄を表しているようです。
神の首を取ることは絶対にしてはいけない、と伝えているくらい、デイダラボッチはあらゆる命を奪っていくのです。
この命を奪っていくシーンは、とてもおぞましくて印象的でした。
さらに、この黒いドロドロした物体は、タタラ場まで届き、タタラ場を壊していきます。
タタラ場の人は、それの様子をただ見ていることしかできませんでした。
これは自然の力は、人間ではどうにもできないことを表しているように思えます。
自然が、人間の愚かな行為に怒っている姿は注目して欲しいところです。
こちらの記事では、シシ神をさらに深掘りしています!
『もののけ姫』シシガミの存在とは?なぜアシタカを助けた?首を狙われた理由やモデルはカモシカ説、その後を考察
『もののけ姫』あらすじをわかりやすく解説! まとめ
今回は『もののけ姫』のあらすじをわかりやすく解説しました。
あらすじだけ見ても『もののけ姫』が素晴らしい作品だと改めて感じました。
『もののけ姫』は自然と人間の対立によるアシタカの葛藤がメインで描かれています。
自然と人、どちらにも自分たちの考えがあり、善と悪を簡単に分けられない部分がとても考えさせられる物語です。
そのため、『もののけ姫』は小さい子には少し難しい作品になっていますよね。
もし、小さいときに『もののけ姫』を見て、わからないと感じた人がいたら、このあらすじを見てから、再び『もののけ姫』を見ると、さらにおもしろさに気づくかもしれませんよ。
深い学びが得られるジブリ作品のなかでも、さまざまなメッセージが込められている『もののけ姫』!
ぜひ、この記事を読んで一人でもジブリファンが増えることを願っています。
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