『もののけ姫』に出てくる神と言えば、「シシガミ」です。
シシガミは、『もののけ姫』の物語の確信に迫る、重要なキャラクターです。
体はシカ、顔は人のような姿のシシガミを怖いと感じた人も多いかもしれません。
そんなシシガミが、結局どんな存在なのか、わからない人もいるのではないでしょうか。
私自身も、最初『もののけ姫』を見たときは、シシガミ様が神のような存在なのかな?としかわかりませんでした。
そこで、今回は次のようなシシガミについて気になることを解説・考察していきます。
・どうしてシシガミの首を狙われたのか
・なぜアシタカを助けたのか
・シシガミのモデルはカモシカ?
・シシガミのその後は?
『もののけ姫』のシシガミとは人間や乙事主などの神たちにとってどんな存在?
シシガミは生きるもの全ての神です。
人間たちの神でもあり、乙事主など神たちの上に存在する神です。
シシガミの特徴に命を与えること、命を奪うことができる力があります。
この力は、乙事主やモロの君などの神たちにはできない力です。
作中でも、シシガミの命を与え、奪う力によって、アシタカは命を救われ、タタリ神になった乙事主は命を奪われました。
さらに、シシガミは生き物だけでなく、木々などの自然の命も奪い、与えることもしています。
このことからもシシガミは、人間や神たちだけでなく、自然界にいるすべての神だとわかります。
すべての神である『もののけ姫』のシシガミは、とても謎に包まれているキャラクターです。
・神出鬼没
・何も喋らない
・水の上を歩く
・昼と夜で姿を変える
などを作中で行なっています。
このシシガミの特徴だけでも、どんな人でも神だと信じてしまうと思います。
他にも、命を与える、命を奪うことができるのは、神しかできない芸当ですね。
私たちのイメージする神の最大の特徴は、生死をコントロールできることだと思います。
その点、シシガミは神のイメージに近い存在です。
なので、初めて『もののけ姫』でシシガミを見たときは、「神様みたい」と思ったのを覚えています。
シシガミを通じて、神の存在ついても考えさせられる『もののけ姫』は改めて深い作品だと感じますね。
『もののけ姫』でシシガミ様が首を狙われた理由はなぜ?
『もののけ姫』終盤では、シシガミ様の首をかけて、アシタカたちとジコ坊たちは対立します。
それでは、なぜシシガミ様の首が狙われたのかその理由は、シシガミ様の首に、不老不死の力があると言われていたからです。
シシガミの不老不死のある首を手にして、天皇の力を強くしようという思惑が、ジコ坊たちにあったのです。
実際に、シシガミ様の首に不老不死の力があるかは、作中では、明かされていません。
ところが、シシガミがアシタカの傷を癒しているところや、生き物の命を奪っている姿が作中では描かれています。
なので、シシガミの首に不老不死の力が、あっても不思議ではありませんね。
もののけ姫のシシガミ様だよー\(^o^)/ pic.twitter.com/Xy1QnlkPS5
— ジャケットしむみ😈🤖🍫🦌🍑🐩 (@02gr18shim) December 22, 2022
このように、人間たちの私利私欲のために、神であるシシガミの首が狙われてしまうのは、残念な気持ちになります。
シシガミは物語終盤に、エボシによって銃で首を飛ばされてしまいます。
首をなくしたシシガミは、夜の姿のデイダラボッチになり、人や生き物、森などの自然のあらゆるものの命を奪いながら、首を探します。
その光景はまさに地獄絵図です。
私はこのシーンを見て、神に逆らうことは絶対にしてはいけないことだと、深く感じました。
人間たちの勝手な都合で神の首を狙う行為は、大きな災を受ける可能性があることを『もののけ姫』は伝えたかったのかもしれませんね。
『もののけ姫』でシシガミがアシタカを助けた理由はなぜか?
『もののけ姫』の中で、アシタカが銃で撃たれて瀕死の状態になります。
そんな瀕死の状態であるアシタカの傷を、シシガミが癒すシーンがあります。
シシガミもこの噂を断ってはくれなかったようだ… pic.twitter.com/OQjqI4YV0H
— 莉愛(リア)@ニューハーフ ❄️ (@Lia_13_lucifer) December 24, 2022
それでは、なぜシシガミがアシタカを助けたのか気になりますね。
それは、シシガミがアシタカのタタリ神から受けた呪いの運命を、最後まで全うさせるためにアシタカの傷を癒したと考えられます。
その証拠に、シシガミは、銃で撃たれた傷は治しましたが、呪いを治すことはしませんでした。
シシガミがアシタカに「こんなとこで死なずに、呪いの運命を全うしなさい」ということを伝えたかったと感じます。
アシタカがタタリ神から呪いを受けたからこそ、シシガミはアシタカの傷を癒したのです。
しかし、絶対にシシガミがアシタカを救うかは、わからなかったと思います。
それは、サンの言動からもわかります。
サンは瀕死のアシタカをシシガミのいる湖に運びますが、ヤックルを自由にしてあげます。
この行動は、サンはアシタカがシシガミに傷を治してもらう可能性は低い、と考えたのではと思います。
さらに、サンの“シシガミ様がお前を生かした。だから助ける”というセリフからも、シシガミがアシタカを助けない可能性も大いにあったと考えます。
このことから、サンはアシタカの生きる可能性はかなり低いと見ていたと思いますね。
シシガミはアシタカが呪いを受けた特殊な人間で、その呪いの運命を受け入れさせるために、生かしたのではと感じました。
『もののけ姫』シシガミのモデルはカモシカ?
シシガミのモデルは、見た目でもわかるようにシカです。
「シシ」はシカという意味です。
私はシカの中でも、カモシカがシシガミのモデルではないかと考えます。
その理由は、日本にいるカモシカと『もののけ姫』のシシガミには、共通点があるからです。
日本にいるカモシカは、ニホンカモシカと呼ばれます。
ニホンカモシカは日本の山地の森林に生息しており、単独で行動です。
登山などをする人が、ニホンカモシカに突然出くわすことがたまにあります。
これを見ると、シシガミに似ているような気がしませんか?
今日、一つ森公園でカモシカを見た。 pic.twitter.com/LfFQ73qmjA
— うどん太郎 (@udontaroudesu) December 27, 2022
『もののけ姫』ではシシガミは単独で山々を行動しており、アシタカたちも突然シシガミに出くわします。
このことからも、シシガミのモデルになったのは、カモシカではないかと私は考えます。
ちなみに、奈良県で有名なニホンジカは集団で行動しており、シシガミのイメージとは少し違いますね。
他にも、カモシカがシシガミのモデルなのは、もしかしたら、宮崎駿監督が別荘があった長野県の山々でカモシカを見て、シシガミをイメージしたかもしれませんね。
宮崎駿監督は、長野県の別荘があった地名を、『もののけ姫』の「乙事主」などのキャラクター名にしているので、その可能性はあるのではと思います。
『もののけ姫』で怖い顔が印象的だったシシガミの最後はどうなった?
『もののけ姫』の中では、シシガミは最後、自分の首を取り戻して、いなくなりました。
物語の終盤で、デイダラボッチに変わる前に、シシガミはエボシに首を銃で撃たれてしまいます。
そのときに、シシガミの顔が変わるシーンがあります。
このシーンのシシガミの顔がとても不気味で、怖いと感じた人も多いと思います。
エボシに撃たれて顔が溶けた時のシシガミ様。 pic.twitter.com/YydCkno6PF
— 趣味が生き甲斐 (@Fantasist_2501) December 27, 2022
シシガミは、体はシカで、顔は人のような顔をしていて、その顔が変わっていくので、私もとても気持ち悪くて、怖いと感じました。
シシガミは全ての神なので、動物と人間の部分も持ち合わせているために、体はシカで、顔が人間の姿をしているのかと感じます。
そんなシシガミが銃で撃たれたことにより、動物の人間の部分のバランスが崩れてしまい、あのような怖い顔になってしまったのではと考えられます。
その後、シシガミは首を吹き飛ばされてしまい、首がないままデイダラボッチになります。
デイダラボッチが首を探すために、ドロドロした体を広げて、人や森の生物の命を奪っていくシーンも強烈でしたね。
絶望感がとてもあったシーンでした。
その後に、デイダラボッチに首が戻り、デイダラボッチは消えてしまいます。
作中では、デイダラボッチが消えてからシシガミがその後、どうなったのかわかっていません。
『もののけ姫』シシガミが消えたその後を考察
『もののけ姫』最後に消えたしまったシシガミは、自然の木々や花、草に変わって、生きていると考えます。
デイダラボッチとなったシシガミが消えるときに、シシガミは強烈な風を起こし、デイダラボッチのときに命を奪い取った、ドロドロをすべて消してしまいます。
その後、命を奪われて枯れてしまった、森や花、草などの命が芽生えます。
この様子からも、シシガミは奪い取った自然の命を使って、自分が木々や草、花に変わることで、自然に命をもたらしたのではないかと考えます。
シシガミは、生きるもの全ての神です。
シシガミからデイダラボッチと形を変えているように、いろいろな形に変わることはできるはずです。
消える前のシシガミの姿は、体はシカ、顔は人のような顔でした。
この姿は、森に神がいることを人や生き物に伝えるためだと思われます。
しかし、シシガミは生き物の姿でいることが、今回シシガミの首を狙われる原因となったので、最後シシガミは自然の形になったのではと考察します。
今回の『もののけ姫』では、シシガミの首が発端となって、人と森の生き物が争う形になりました。
シシガミは自分が自然となって消えてしまうことで、人と自然が共存できる道はないかと訴えているのでは強く思いました。
『もののけ姫』シシガミのまとめ
今回はシシガミについて詳しく解説しました。
最後、シシガミについてまとめます。
シシガミの存在は生きるもの全ての神でした。
しかし、シシガミが神であるが故に、その首に不老不死の力があると思われて、首を狙われてしまいます。
人間の自分勝手な考えのために、神の首が狙われてしまうのです。
そんなシシガミは、瀕死のアシタカを助けますが、助けた理由は、アシタカに呪いの運命を全うさせるためだと考えました。
アシタカの呪いを受けた意味について、もっと考えさせるためではないかと思いますね。
他にも、シカの姿をしているシシガミですが、カモシカがモデルではとお話ししました。
ニホンカモシカの特徴がシシガミと似ているために、カモシカがシシガミのモデルでは、と感じましたね。
『もののけ姫』では、シシガミは最後、首を取り戻し消えてしまいます。
シシガミが消えた後は、自然の姿に変えて、命を奪い取った自然を再生させたのでは考察しました。
シシガミが自然の姿となり、自然を再生させることで、人間と自然が共存する道はないのか、示しているようでしたね。
このように改めて、シシガミについて調べてみると、シシガミはとても神秘的な存在だと感じますね。
『もののけ姫』の大きなテーマである、「自然と人間」の中心にいるのがシシガミです。
神秘的なシシガミがいることにより、『もののけ姫』は深くておもしろい作品になっているのでしょうね。
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