借りぐらしのアリエッティは、題名にもあるように、小人のアリエッティが暮らしている日常が描かれています。
アリエッティの家も私たちが使用しているもので作られていたり、舞台も日本の家の床下であったりと、小人をとても身近に感じられる映画です。
冒頭で、都会から緑豊かな庭を持つ家へ、車で走っていく情景が描かれています。
その都会や庭園にはモデルとなっている場所があり、家は青森県、町は小金井市が舞台となっています。
映画を見ながら、見覚えがあると感じた人もいるかもしれません。
また、一番気になったのがアリエッティの身長。
小人はどのくらいの大きさなのか気になりますね。
そして、借りぐらしのアリエッティには、宮崎駿監督が、現代の人々に伝えたかったメッセージが込められています。
これら全てを知った後に見る借りぐらしのアリエッティは、なんだか違った空気感を感じます。
借りぐらしのアリエッティが住んでいる床下の家、その舞台と庭園のモデルとは
借りぐらしのアリエッティは、心臓に病気を抱えた翔が、大叔母の家へ向かうところから描かれています。
オープニングで翔が車で通る橋は、小金井市にある「天神橋」がモデルとなっています。
その風景を見たことあると感じた方もいるのではないでしょうか。
都会から、だんだんと道が細くなり、家の門を入ると辺りは緑に包まれます。
そして、大叔母の家の床下に住んでいるのが、アリエッティ一族です。
借りぐらしのアリエッティは、緑豊かな広い庭と、そこに立つ一軒の家で物語が繰り広げられています。
印象深い庭と家、その舞台となっているのが、青森県平川市にある「盛美園」です。
そして、その盛美園の庭園の一角に「盛美館」が建てられています。
盛美館が、借りぐらしのアリエッティで、翔が住む家のモデルとされているのです。
盛美園は、池を中心としてつつじやかえでが広がっており、借りぐらしのアリエッティでも、草花が奥まで広がっている様子が描かれていました。
現実を忘れさせるような風景がジブリらしく、私は冒頭の庭の風景に心を奪われました。
床下に住む小人アリエッティの身長は?大きさを比較!
アリエッティの身長は10cmとされていて、体重については、公表されていません。
アリエッティの父は13cm、母は11cmです。
ここで、みなさんが言われているのが、ほかの物と比べたときのアリエッティの大きさがおかしい、ということ。
たしかに、猫のニーヤで比較してみると、ニーヤとアリエッティが庭にいるとき、アリエッティはニーヤの顔ほどで描かれています。
でも、終盤の引っ越しでのニーヤとのシーンでは、アリエッティがニーヤの口ほどまで小さく描かれています。
私が最初に見たときには、この大きさの違いに気づきませんでした。
今、初めて気づいた方もいるのではないでしょうか。
なぜアリエッティは公表されている10cmで厳密に描かれていないのか疑問に感じますね。
そこには、厳密なサイズ感を重視するよりも伝えたいものがあったのかもしれません。
借りぐらしのアリエッティ 宮崎駿監督が伝えたかったこととは?
借りぐらしのアリエッティは、「床下の小人たち」が原作で作成されています。
原作はイギリスの話ですが、宮崎駿監督により日本が舞台のアニメーションとして描かれました。
また、「床下の小人たち」を描きたいと考え始めたのは、宮崎駿監督が20代のときです。
しかし、20代の頃では、時代に合っていないと感じ映画化は諦めたのです。
この話を聞いたとき、なぜ現代になって映画化したのかと、私は疑問に思いました。
そこには、宮崎駿監督が現代の人々に伝えたかったことがあったのです。
それは、現代の人々は好奇心に欠けているということ。
テレビやネットで、なんでも情報を得られる現代では、自分の足で調べたり、わくわくしながら考え行動したりすることが少なくなっています。
宮崎駿監督は借りぐらしのアリエッティを、あえて身近な日本を舞台に描いています。
そして、いつも過ごしている環境に小人が住んでいるかもしれないと、好奇心を掻き立てようとしているのだと私は受け取りました。
実際に、アリエッティを見ながら、自分の知らない世界がどこかに広がっているのかもしれないと想像して、わくわくしたのを覚えています。
借りぐらしのアリエッティのまとめ
借りぐらしのアリエッティの内容と、今回の記事をまとめていきます。
借りぐらしのアリエッティは、人間に姿を見られてはいけない小人が、人間の家の床下で狩りをして暮らしているところが描かれています。
その中で、翔という少年に姿を見られてしまったアリエッティ。
危険がたくさんある中で、ときには翔に助けられ翔に心を開いていきます。
でも、姿を見られてしまった以上、同じ家に住み続けることはできません。
ハラハラドキドキもあり、切ない場面もあり、もしかしたら私たちのすぐそばにも小人がいるのかもしれないと考えさせられる映画です。
人間と小人の関係性が描かれているなかで、風景や場所までも細かく考えられて作られている作品です。
宮崎駿監督の意図を知った上で鑑賞すると、とても奥の深い作品に感じ取れます。
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