『借りぐらしのアリエッティ』あらすじとその後、原作小説との違いは?考察を交えてお伝えします!!

借りぐらしのアリエッティ
引用:https://www.ghibli.jp/works/karigurashi/
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借りぐらしのアリエッティのあらすじとその後、、、 考察を交えてお伝えします!!

借りぐらしのアリエッティは、どのような映画なのでしょうか。

今回は、借りぐらしのアリエッティのあらすじと、映画には描かれていないその後についてお話していきます。

借りぐらしのアリエッティには、「床下の小人たち」という原作があります。

原作を読んでから見ると、その違いに気づくかもしれません。

少年の翔も原作とは大きく異なっており、借りぐらしのアリエッティの翔が言うセリフには、何度考えさせられたことでしょう。

借りぐらしのアリエッティの作者が伝えたかったことはなんなのか。考察も交えてお伝えしていきます!




『借りぐらしのアリエッティ』あらすじ|アリエッティから見える小人の世界

借りぐらしのアリエッティに登場するアリエッティ家族は、借りぐらしをして生活をしている小人です。

「人間の家から気づかれないように、少しずつ必要なものを借りてくるの。」とアリエッティは言っています。

‘‘狩り‘‘と言わないところが、人間と共存していると感じ取れますね。

床下で、父のポッド、母のホミリーと、人間に見つからないようにひっそりと生活しています。

そして、アリエッティはポッドと一緒に初めての‘‘借り‘‘に行きます。

「初めての借りよ、うーんと練習してきたんだもの!」と、好奇心旺盛なアリエッティ。

壁の裏には、釘や定規で作られた道があり、虫たちはアリエッティより大きく、小人から見た世界を感じ取れます。

そして、アリエッティがキッチンに出たときの人間世界の迫力と、人に見つかってしまうのではないかというハラハラ感があり、映画に見入ってしまいます。



『借りぐらしのアリエッティ』あらすじ|角砂糖で繋がる翔とアリエッティ

映画の冒頭は、心臓の病気を抱えた翔が、手術前の療養のために大叔母の貞子の家に向かうところから始まります。

貞子の家についてすぐ、翔は庭で草の陰に隠れたアリエッティを見かけます。

そして、その夜、翔の部屋に借りに来たアリエッティを見つけ、翔の中で小人という存在が確信となります。

「怖がらないで。」と、翔がアリエッティにかけた言葉は、小人目線で作られており、人の大きさに恐怖を感じました。

借りを引き返すアリエッティは、角砂糖を落としてしまいますが、次の日に翔が、床下の入り口に‘‘わすれもの‘‘と書いた手紙とともに角砂糖を置いていくのです。

それを見たアリエッティは、家族を守るために翔のところに行くことを決心し、そこで初めて翔と会話をするのです。

その後、家政婦のハルさんに捕まってしまったホミリーを助けるために、アリエッティは翔に助けを求めます。

最初は姿を見せるのも躊躇していたアリエッティですが、話が進むごとに翔を受け入れていく様子が描かれています。



『借りぐらしのアリエッティ』あらすじ|アリエッティ一家の危機!!

貞子の家では、昔から小人が住んでいるという言い伝えがありました。

貞子の父も、翔の母も小人を信じていたのです。

翔の部屋には、小人のために作られたドールハウスもあるほどです。

「私の一番のお気に入りは、もう一つの部屋なの。」と貞子が嬉しそうに話し、ライトアップされたドールハウスは、本当にこんな家があったらと思わせるほど美しく描かれています。

貞子の家には、ハルさんという家政婦がいます。

ハルさんは翔が小人の存在を知っているのではないかと、怪しみ、床下のアリエッティの家を見つけてしまうのです。

「見—つけた。」と、ハルさんが顔を覗かせる場面は、ゾッとしますね。

そこで、家にいたホミリーは、ハルさんに捕まってしまいます。

小人がいることを確信したハルさんは、ネズミ駆除業者に捕獲を依頼します。

アリエッティ家族がみんな捕まってしまうのではないかと、ハラハラとさせられます。



『借りぐらしのアリエッティ』あらすじ|小人のスピラー

アリエッティの種族は人間に姿を見られずに、借りをして生活していかなければならないのです。

翔に姿を見られてしまったアリエッティ、そして、小人を捕まえようとするハルさんがいる以上、アリエッティ一家は引っ越しをしなければなりません。ポッドが引っ越し先を探している途中で出会うのが、小人のスピラーです。

ほかに小人はいないのではないかと思っていたアリエッティ家族は、

「私たち、3人だけじゃなかったんだわ。」と、嬉しさが滲みます。

スピラーは、アリエッティ家族と着ているものも、話し方も違い、全く別の生活をしているのだとわかります。

スピラーの生い立ちや、生活も見てみたいですね。

スピラーに手助けをしてもらい、アリエッティ家族はやかん船で川を下って行くのです。



『借りぐらしのアリエッティ』あらすじ|翔との別れ

アリエッティ家族が引っ越しの途中、アリエッティの前に現れたのは、猫のミーヤです。

アリエッティとミーヤは何も話さず、目を見つめあいます。

そして、翔はミーヤに案内されてアリエッティのところに向かいます。

アリエッティとミーヤは、何を伝えあっていたのか気になりますね。

アリエッティは翔の手術の成功を祈って、髪につけていた洗濯ばさみを託します。

そして、2人が別れたあと「アリエッティ、君は僕の心臓の一部だ、忘れないよ、ずっと。」と、翔がつぶやきます。

誰もが、この言葉の意味を考えるかと思います。

私は、翔の手術が成功して、またどこかでアリエッティと再会できればいいなと心から思いました。



『借りぐらしのアリエッティ』その後は?原作小説との違いはどこ?

借りぐらしのアリエッティで気になるのが、アリエッティはその後どうなったのかということでしょう。

借りぐらしのアリエッティには、原作となる「床下の小人たち」という小説があります。

アリエッティの名前や、人間の男の子が出てくるところも同じように描かれています。

しかし、原作は5部作であり、借りぐらしのアリエッティと違う部分もたくさんあります。

原作はイギリスが舞台となっており、小人が人に捕まることもありません。

原作では、話が続いており、小人が様々な場所に引っ越す場面も描かれているそうです。

アリエッティは、やかん船で引っ越したあとも、好奇心旺盛にいろんな体験をしていくのでしょう。

また、原作の少年も小人を助けるところまでしか登場せず、その少年にも名前はありません。

 

借りぐらしのアリエッティでは、心臓の病気を抱えた翔という少年が登場します。

翔は、アリエッティと出会い、アリエッティの家族を助ける手助けをし、初めて自分にも守るものができたと感じます。

原作と違い、少年の翔が主人公といってもいいほど、翔の生い立ちやその後を考えさせるように描かれているのが、借りぐらしのアリエッティです。

原作と違う部分に、借りぐらしのアリエッティの作者が伝えたかったことがあるのかもしれません。



『借りぐらしのアリエッティ』その後は?原作にはない少年の翔

借りぐらしのアリエッティで考えさせられるのが、翔の最後のセリフにはどんな意味が含まれているのか、翔の手術はどうなったのかということです。

その後が気になる終わり方をしています。

原作の「床下の小人たち」の男の子には、名前はありません。

また、男の子の病気もリウマチであり、翔とは異なります。

そして、アリエッティと男の子のシーンも、原作ではネズミ駆除業者から助けたところで終わるのです。

翔が生きるか死ぬかの大病を患っていることや、翔との別れのシーンなどを見ていると、借りぐらしのアリエッティが、いかに翔を重要視しているということがわかります。

「アリエッティ、君は僕の心臓の一部だ、忘れないよ、ずっと。」

この言葉の意味は、人それぞれの考えがあると思いますが、手術が成功して生きていてほしいと心から思いました。

どこかに翔とアリエッティのその後のヒントはないかと見返したら、なんと、冒頭で「僕はあの年の夏・・・」という翔の声で始まっているのです。

そこで、翔は手術後も生きており、アリエッティとの夏を思い出しているのだとわかり、ほっとしました。



『 借りぐらしのアリエッティ』作者が伝えたかったことの考察・感想

小人と人間の物語でとてもかわいらしい作品の、借りぐらしのアリエッティ。

しかし、見ているうちに、視聴者が考えさせられる場面が多い作品でもあります。

作者が何を伝えたかったのか、ここで考察していこうと思います。

翔がアリエッティの姿を始めてはっきりと見て、話す場面で、

「そのうち君だけになってしまうんだろうね。」

「君たちは滅びゆく種族なんだよ。」と、口にします。

なんでこんなに厳しいことを言うのだろうと疑問に思いました。

そして、翔は心臓に病気を抱えており、13歳ながらに‘‘死‘‘についてたくさん考え、悩んできたのだろうと、この場面からわかりました。

「アリエッティ、君は僕の心臓の一部だ、忘れないよ、ずっと。」という翔の最後の言葉。

どんな意味が込められているのか、とても気になります。

そして、その後の翔とアリエッティが描かれていないことで、翔の手術はどうだったのか、アリエッティと再会することはあったのか、というところも気になるところです。

私は、最初に見たとき、‘‘心臓の一部‘‘という部分で、アリエッティは、本当はいなかったのではないか、翔の心で見えていた小人の存在なのではないかと思いました。

でも、どちらにしろ、生きることに諦めかけていた翔にとって、アリエッティは生きる希望となったのだと考えられます。

私の感想なのですが、借りぐらしのアリエッティは映画を見る前から、広告の絵のジブリ感がとても好きだと感じていた作品です。

実際に見てからも、ジブリの自然感、小人の家の様子は、自分が小人になったかのように感じて見入ってしまいます。

一番好きなところは、アリエッティの住んでいる家で、生活の様子を描いている場面です。

最初にアリエッティが自分の部屋に入る場面、アリエッティは自分の部屋を「野原みたいで素敵でしょ。」と言っています。

お花や葉がたくさん飾られていて、とっても素敵です。

包装紙が貼られたカラフルな壁紙や、飾ってある大きなボタン、全部がかわいらしくて、私も小人になってアリエッティの家を探検してみたいと、映画を見ていて何度も思いました。

ジブリらしさ満載の情景と、作者の思いが込められた‘‘借りぐらしのアリエッティ‘‘は、人それぞれ考える今後のストーリーがあり、楽しんで見ることのできる映画です。



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