『もののけ姫』は1997年に発表された宮崎駿監督のスタジオジブリを代表する大ヒット作です。
冒頭から、得体の知れない黒いグニョグニョしたミミズのようなものに体を包まれた猪が、主人公アシタカの故郷の村を襲う衝撃的なシーンから始まります。
アシタカはこの謎の生き物から村を守るために矢を射りますが、その代償に右腕に消えないあざを負ってしまいます。
このあざは呪いだと言うのですが・・・この呪いは消えるのでしょうか。
この呪いについて、またアシタカが村を出る時に行った断髪や村のモデル、アシタカの声を担当した声優さんについても検証します!!
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});
アシタカのあざは死に至る呪い!なぜあざは残った?
アシタカを襲った生き物は、タタリ神に姿を変えてしまった猪神でした。
このあざについて、タタラ場を率いるエボシに説明するとき、アシタカは「死に至る呪い」としています。
このあざは猪神の怒りと悲しみなど、負の感情のあらわれで少しずつアシタカの身体を蝕んでいきます。
それだけではなく、ときにアシタカの意識に反した動きをするのです。
アシタカは、旅の途中で通りがかった戦で人を助けようとしたとき、このあざの力を知ることとなります。
このあざを負ってから、矢を射るとその矢はとてつもない速さを持ち、一瞬で人の両腕を切り飛ばしてしまうほどの力が入ってしまうということを知ります。
また、エボシが猪に石火矢を放った張本人であると知ったとき、右手は勝手に刀を持ってエボシを殺そうと動き出します。
アシタカは必死でそれを押し留めます。
この呪いは宿った身体だけでなく、恨みを晴らそうと周りを傷つけようとするようです。
最終的に、シシ神の頭をデイダラボッチに人間の手で返すことにより、アシタカの「死に至る呪い」は解けます。
しかし、あざはアシタカの身体に残りました。
これはどういった意味なのでしょうか。
それは、今まで人間がしてしまった事を忘れないようにという戒めの意味と、アシタカにこれから森と人間が共に歩める道を切り拓いて欲しいという希望の意味がこめられているのではないでしょうか。
その意味を理解したため、アシタカは呪いが解けたにもかかわらず故郷には帰らずにタタラ場で生きることを決意したように思います。
こちらの記事もあわせてどうぞ!
アシタカが故郷エミシの村で断髪をした意味とは?
アシタカは村を出る前、ヒイ様の前で頭の上で結っていたお団子の髪を自ら切り落としました。
これは一体どういう意味があったのでしょうか。
断髪をするシーンで気がつくことと言えば、この村で髪が生えている男性は皆同じ髪型をしています。
この村では、男性はこのお団子頭のヘアスタイルをすることが掟となっているようです。
すなわち、この髪型をやめるということはこの村の人間ではなくなるということが推測できます。
アシタカが髪を切る際、泣いていた者がいたのは、アシタカがもはやこの村の人間ではなくなったことを悲しんでいるためであると思われます。
呪いを負ってしまったアシタカは自ら断髪をし、故郷を出ることになりました。
村を守るために戦ったのにもかかわらず、村を追われることになるとは、一見とても冷たいようにも思われますね。
しかし、呪われた腕の力の凄まじさを知ると、それも道理にかなっているように感じます。
この時代のこのような小さな村は、こういったさまざまな掟を守ることで村の平和を守ってこれたのかもしれません。
アシタカ|出身地(村)のモデルはどこ?実在する?
アシタカの故郷であるエミシの村のモデルはどこなのでしょうか。
アシタカはエボシに出身をきかれたとき「東と北の間より・・・」と答えています。
実際、「エミシ(蝦夷)」とは関東より北の今で言う東北地方、または北海道を指す言葉です。
ジブリの公式サイトにおいても『もののけ姫』で大いに参考にした場所の一つとして白神山地を挙げています。
白神山地とは秋田県北西部と青森県南西部にまたがる山地帯を指します。
人の手がほとんど入っていない原生的なブナ林があり、今でも様々な動植物が生息する美しい土地です。
1993年に世界遺産(自然遺産)に登録されています。
このような場所が、これからもどうか人間に侵されることなくずっと守られていくことを祈るばかりです。
アシタカを演じた声優さんは誰?
アシタカはまさに優しい心を持った強く実直な少年といったキャラクターですよね。
その声は、芯がありながらも瑞々しくとても素敵です。
どなたがアシタカの声を担当していらっしゃるのでしょうか。
それは、俳優・声優の松田洋治(まつだ ようじ)さんです。
スタジオジブリの作品では、なんとあの『風の谷のナウシカ』でアスベルの声を演じていらっしゃる方です。
多くの映画やドラマにて活躍されていらっしゃいますが特に有名な作品として『タイタニック』のジャックの声や『ザ・ビーチ』のリチャードの声が挙げられます。
いずれもレオナルド・ディカプリオの声の吹き替えで、どの役も若く清々しい役どころが魅力ですよね。
アシタカは、タタラ場でもすぐに女性たちの間で人気者になってしまうほど、外見も魅力的だったようですが、どのセリフも凛々しくどこか優しさを感じるとても声も魅力の一つであると思います。
アシタカの呪いについてのまとめ
アシタカについての様々な背景や声優さんについて、いかがでしたでしょうか。
あざの呪いによる運命を受け入れ、争いではなく自然と人間双方が共に生きる道を周囲に促したアシタカ。
彼は自然と人間どちらの側を優先するでもなく、問題に向き合い続けてきました。
そしてそれぞれの立場の正当性を認めつつも、双方が共に生きる道を諦めませんでした。
私たちも対立する二つの考え方に頭を悩ますときと、アシタカがとった行動を一つひとつ思い出すことで、新しい道を見つけるヒントが得られるかもしれません。
こちらの記事もおすすめ!
コメント