『千と千尋の神隠し』はジブリ作品の中でも独特の世界観があり、印象的なシーンの多い作品です。序盤で印象的なシーンといえば、娘が止めるのも聞かずに、千尋の両親が目の前のご馳走を無断でむさぼりだすシーンではないでしょうか。
「帰ろうよ〜」と両親を促しオロオロする千尋は"これって食べちゃいけないものだ"と感じていた様子。
まさかこのとき、神様の食べ物を両親が食べている!と思ってはいないと推測できますが、
大人には感じることのできない「子どもの感性」って大事にしてあげたいなぁ、と感じながら作品を見ていたことを思い出します。
あのシーンで神様の食べ物である両親が食べているものって一体何なのでしょうか。
今回は、近年話題になっている"あの"神様の食べ物の新たな情報を交えながらお送りします。
千と千尋の神隠し|神様の食べ物が気になる!? ひょっとして人肉なの?
『千と千尋の神隠し』で千尋は気がつけば不思議な世界に迷い込んでしまいます。千尋の両親は千尋が止めるのも聞かず、目の前の中華風のご馳走を無断でむさぼり始めます。あの両親のガツガツ食べるシーンは、とても印象的です。そして、両親はあろうことか豚に変えられてしまいました。
当時、このシーンを見ていた我が家の子どもは「ママ、これ怖い」と言いながら観ていたものです。
あのご馳走は、実は神様のためのご馳走だったということが、のちの湯婆婆のセリフで明らかになります。
いい大人が食べ物をむさぼり食べる姿は見ていてとても惨めな印象を受けました。
また、千尋にとって両親のそのような姿は大変ショッキングだっただろうと思われます。
でもそんな"我を忘れて"むさぼり食べてしまうほどのご馳走って、怖いけどなんだか魅惑的でとても美味しそう!
となると、何を食べていたのかがとても気になります。
この迷い込んだ街のお店の外観には「人肉」という文字もあり、二人が食べているものはひょっとして!?
少し恐ろしい想像が掻き立てられます。
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千と千尋の神隠し|神様の食べ物であるあのブヨブヨはシーラカンスの胃袋?
劇中、我を忘れてご馳走をむさぼる両親の目の前には、様々な食べ物が置いてあります。その中でも特に印象的なのが、お父さんが食べているブヨブヨした塊の食べ物。あれは一体何なのでしょうか。これまで様々な憶測がありましたが近年、原画を担当した米林宏昌さんのTwitterにて、あの食べ物はシーラカンスの胃袋を想定して描かれていたことを明らかにしたのです。シーラカンスの胃袋とは…どういうことなのでしょう。シーラカンスはそもそもヒトが食べることができるものなのでしょうか。調べたところ、どうやらシーラカンスは基本的にはヒトが消化することは難しいようです。そう考えると、両親が吐き戻すこともなく一心不乱にご馳走をむさぼるあのシーンは、千尋が常軌を逸した狂気の世界に既に入ってしまっていることを示してるとも考えられます。
千と千尋の神隠し|お父さんが食べた神様の食べ物はバーワンじゃないらしい?
米林宏昌さんのTwitterで明らかになる前までは『千と千尋の神隠し』でお父さんが食べているブヨブヨした食べ物は台湾の料理バーワンじゃないかという説がありました。
お肉や野菜でできた餡をさつまいもや片栗粉でできた皮で包んだものを蒸し、そこに甘い味噌のソースをかけていただく台湾料理
このバーワン、屋台などで食べることができるようです。
「千と千尋の神隠し」に出てきた謎のプニプニの料理
台湾料理の『肉圓(バーワン)』 らしい。#日本のアニメの歴史を変えたスゴいアニメ— 世界の出来事 (@801039) April 14, 2021
なぜ、千尋のお父さんが食べたものに"台湾料理説"が出たのでしょうか。
千と千尋の神隠しの油屋という湯屋は、台湾の九份をモデルにしているのではないか?と噂されています。
スタジオジブリ公式では"大いに参考にした場所"として宮崎駿監督がよく足を運ぶ場所「江戸東京たてもの園」と発表されています。
ところが、映画の大ヒットにより"うちがモデルになった"と言い出すところがたくさん出てくる!
と宮崎駿監督はインタビューの際に語っています。
私も映像で見ましたが、そのモデルと噂された台湾の九份は『千と千尋の神隠し』の雰囲気がありました。
その台湾というモデルの関連であのブヨブヨした食べ物が台湾料理のバーワンじゃないかという説が現れるのは自然な流れのような気もします。
でも、お父さんが食べていたブヨブヨした物体は、成形して作られたものというよりは、元々特殊な形状のものだったように見えます。
そこで、シーラカンスの胃袋と言われると、大いに納得です!
とはいうものの、シーラカンスを私たちが食べることは難しいので、千と千尋の世界を疑似体験するためにバーワンを味わってみるのも楽しみ方の一つかもしれません。
千と千尋の神隠し|ブヨブヨを食べるのはどんな神様たち?ひよこ?大根?お面をつけた神様?
そもそも、このブヨブヨした謎の食べ物をはじめたくさんのご馳走は神様の食べ物ということでしたね。ところで、この食べ物を食べる神様とは一体どのような方々なのでしょうか。『千と千尋の神隠し』にはさまざまな神様たちが登場します。
ここでいくつかご紹介しましょう。
千と千尋の神様たち|オオトリさま
まずは、ひよこをそのまま巨大にしたようなオオトリさま。まん丸のフォルムがキュートですが、どこを見ているのかわからない目がどこか恐ろしくもありますね。
なんでも、卵のまま死んでしまったり、ニワトリに成長することなく死んでしまったひよこたちが神様となったという話があるようです。
このような、命を全うすることのできなかった者たちが神となり、その神様たちに守られているのだと考えると、自分の命の大切さや、八百万の神について子どもと話すきっかけになりそうです。
千と千尋の神様たち|おしらさま
次に大根のかたちをした神様、おしらさま。たっぷりとした関取を連想させる体型と、まさに大根のような四肢と顔の形が独特ながらも頼もしさを感じます。
こんなヒゲをつけたような人の形をした大根を、幼いとき畑で見たことがあることを思い出しました。
『千と千尋の神隠し』でオシラサマを知った子どもたちは、大根の神様なの?と感じているかもしれませんね。
形は大根ですが、東北地方やその他の地域で、養蚕や農業に携わる人々からは、昔からおしら様として信仰されていました。
https://twitter.com/kinro_ntv/status/822425595606765571?s=21
千と千尋の神様たち|春日さま
人のような姿でお面を被り、朱色の衣装を着た姿が印象的な神様、春日さま。集団で行動する姿が常人とは違う雰囲気を醸し出しています。
『千と千尋の神隠し』に登場する神様たちの一部をご紹介しました。
どの神様も可愛らしさと恐ろしさを兼ね備えたヴィジュアルです。
果たして、神様の食べ物である、あのブヨブヨしたシーラカンスの胃袋を食べるのはどの神様なのでしょうか。
気になりますね。
それぞれの神様がどのように食べ物を食するのかも非常に興味深いところです。
そんな想像を膨らませることができるのが、ジブリ作品の魅力のひとつでもありますね。
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千と千尋の神隠し|神様の食べ物 まとめ
と言わざるを得ません。
設定がされているからこそ、短い場面からメインのストーリーで伝えたいメッセージを
紐解くヒントを、私たちに与えてくれてい気がします。普通の人間が消化することは難しいとされているシーラカンス。
そのシーラカンスの胃袋という設定を自分なりに考察してみるのも楽しいですね。
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