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『千と千尋の神隠し』坊の正体は?何者?父親は誰?声優は?ネズミにされた理由やその後、宮崎駿監督の意図を考察

千と千尋の神隠し
引用:THE ART OF Spirited Away
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『千と千尋の神隠し』の中でもインパクトのあるキャラクター坊。

赤ちゃんでありながら大きな体、そして謎が多く、正体や年齢がはっきりとわかっていません。

銭婆にネズミにされた理由や、湯婆婆との関係は本物の親子で湯婆婆が本当の母親なのか気になりますよね。

さらに、父親の存在や坊のその後なども考察していきます。

また、坊の成長は宮崎駿監督の意図があったのでしょうか。なぜ坊のようなキャラクターが生まれたのか、今回は坊の謎に注目していきます。



『千と千尋の神隠し』坊の正体は?何者?年齢・身長はいくつ?

坊の正体は見たままの赤ちゃんですが、実は年齢は不明なのです。

赤ちゃんと聞くと1歳までの子を想像するので、坊もそれくらいではないのかと感じる人もいると思います。

でも、坊は赤ちゃんとは思えない口ぶりですよね。

1歳の赤ちゃんが、10歳の少女と対等に話せるわけがないですし。

坊の見た目からも、10歳の千尋よりはるかに大きな体をしている容姿や、太って重そうな体で転ばずに歩けている姿は赤ちゃんだとは思えません。

坊の身長は千尋の身長から考えると180㎝~200ほどあります。

そんなに大きな赤ちゃんは存在しないですし、実際にいると怖いですよね。

これらのことから、坊の正体は赤ちゃんではあるけど、赤ちゃんの年齢ではないと考えます。

誰かに何らかの魔法や呪いをかけられたのか、赤ちゃんの見た目のまま精神年齢だけが高くなった子なのでしょう。




『千と千尋の神隠し』坊が銭婆にねずみにされた理由は?

坊は湯婆婆に甘やかされすぎているのがわかったため、銭婆の魔法でねずみの姿にされたと考えられます。

物語の中盤、白い紙から銭婆が登場し、坊や湯バード、緑の頭のかしらに魔法をかけました。

そのときに坊は太りすぎているからという理由でねずみの姿にされてしまったのです。

 

大量の白い紙が、竜の姿をしたハクを追いかけていたシーンがありますよね。

千尋がその白い紙からハクを助けましたが、白い紙に化けた銭婆が千尋の背中に張り付いて油屋の建物内を静かに見物していたのです。

坊と千尋の一連の流れを近くですべて見ていた銭婆は、坊が外に出たことがないことがわかりました。

坊は湯婆婆が出て行ったタイミングで千尋を脅すようなことを言っていましたが、銭婆が姿を現したときはかわいい声で「ばあば」とだけ言いましたよね。

本当はたくさん話すことができるけれど、湯婆婆には赤ちゃんのような対応をしていたほうが得策とわかっていてわざと赤ちゃんを装っていたのかもしれません。

それを目の当たりにした銭婆は、坊が湯婆婆に甘やかされていることがわかったので、外の世界を見せるために動きやすいねずみの姿になる魔法をかけたのではないでしょうか。

そう考えると、銭婆は妹とは真逆の考えの持ち主だったのですね。

結果的に坊は、自分の意志で立つことや歩くことができるようになりました。

そして「千を泣かしたらばあば嫌いになっちゃうからね」と湯婆婆に自分の思いを伝えることもできるようになったのです

これはとっても大きな成長でした。

また、外に一緒に連れて行ってくれた千尋の味方をしている姿を見て、湯婆婆の動揺が隠せない表情は"子どもを私物化している親"そのものを表していましたね。

 

坊は、銭婆にかけられた魔法がいつしか切れて、いつでも元の姿に戻れるはずなのに、戻ろうとしませんでした。

それは、坊が初めて外の世界を肌で感じ、怖いところではない、湯婆婆が自分に話していたことは違かったと理解したこと、心の大きな成長を遂げている証拠です。

まぁ、坊が外の世界がおもしろかったと湯婆婆に言ったのは、銭婆の思惑通りだったということですね。

さすが、銭婆です。

 

銭婆は印象深いセリフを残しています。こちらの記事でまとめています!

湯婆婆と銭婆のセリフは名言!2人の違いや髪留めについても

坊ネズミについては、こちらの記事でさらに詳しくお伝えしています。

千と千尋の神隠し|ネズミとカラスの正体は?湯バードが戻らないのはなぜ?




『千と千尋の神隠し』坊の湯婆婆との関係は?本当の母親か?

坊は湯婆婆が魔法で形成した赤ちゃんで、湯婆婆は坊の本当の母親ではなく孫を愛でるような感覚でいると言えます。

なぜなら、湯婆婆の口から、坊が自分の子どもであることを言っている場面はありません

そして湯婆婆が坊に対する一人称は「ばあば」で、坊も湯婆婆のことをママやお母さんではなく「ばあば」と呼んでいるからです。

孫は自分に責任がなくかわいがるだけなので、格別にかわいく感じるとよく言いますよね。

湯婆婆は油屋の経営者であり魔女でもあるので、従業員や手下のハクにイライラしているように見えるシーンがあります。

そこで癒しの存在がほしいと考えた湯婆婆は、癒しを与えてくれる孫のような赤ちゃんを魔法で作り上げたのではないでしょうか。

坊は精神年齢が高いですが、見た目は赤ちゃんです。

湯婆婆は、この先もずっと癒しの存在がほしいので、坊に見た目が変わらない魔法もかけているのかもしれませんね。

そのため、誰とでも会話できる様子から中身ばかりが成長し、赤ちゃんのような見た目はそのままなのでしょう。

 

ネット上で「坊」を検索すると、父親が誰か?と気になっている人が多いようです。

そして、坊の父親についてさまざまな情報があることがわかりました。

次に、坊の父親が誰かを考察してみたいと思います。




『千と千尋の神隠し』坊の父親は釜爺?

坊の父親としてまず名前が1番あがっているのは釜爺です。

40年前の電車の切符を持っていましたよね。

そして、ボイラー室では札に合わせた薬を使ったお湯を作り出すというベテランでないとできない重労働をしており、油屋では重要な職務についていることがわかります。

釜爺は40年以上前から油屋で働いていると思わせるような描写がありますよね。

また、湯婆婆に対してほかの従業員は「湯婆婆様」と湯婆婆を敬っていますが、釜爺は呼び捨てです。

経営者に対して呼び捨てで呼べるのは、かなり親しい関係とここでわかります。

でも、作中に2人が会話などをやりとりをしている描写がありません。

湯婆婆は従業員に厳しいため、2人が近しい関係でなければ、お風呂場の重大な役を担っている釜爺に対しても強く当たるシーンがあったのではないかと考えられます。

そしてより有力だと言えるのが、釜爺は湯婆婆の双子の姉である銭婆のこともよく知っている様子だからです。

湯婆婆と銭婆は気が合わない姉妹と言っており、大人の姉妹であればなおさらお互いに会おうとはならず、そっと距離を置きますよね。

でも釜爺は、あの魔女は怖いと銭婆の性格などもよく知っているような様子でした。

湯婆婆の近くにいなければ、気の合わないといっている姉妹の性格まではわからないはずですよね。

これは湯婆婆と家族の関係だからこそ、相手方の家族のことをよく知っているのではないでしょうか。

 

釜爺の存在は千尋の心にも大きく影響しています。くわしくはこちらの記事で!

釜爺(かまじい)正体・モデルは?声優や名言セリフまとめ!




『千と千尋の神隠し』坊の父親はおしら様?

おしら様は、千尋とエレベーターに乗った大根の姿をした神様です。

大きな太った体や赤い前掛けが坊の容姿とかなり似ていますよね。

さらに、千尋と湯婆婆がいる最上階まで行っていたお客様はおしら様だけです。

普通の一般のお客様は湯婆婆がいる最上階に用はないはずなので、わざわざ最上階までくることはないですよね。

おしら様は坊の様子を見に行くところでしたが、千尋が湯婆婆に用がありそうだったので、おしら様は最上階で降りずにまた下の階へ戻ったのだと考えられます。

息子に会いに行くだけで急用ではなかったため、状況を察して千尋に譲ったのでしょう。

おしら様は、千尋と一緒にエレベーターに乗った時点で千尋が人間とわかっていたはずですが、まったく驚いていませんでした。

坊が、人間の千尋を見ても驚かず冷静だったのも、父親であるおしら様が神様のため、人間のことを聞いていたからなのかもしれないですね。




『千と千尋の神隠し』坊の父親はかしら?

かしらは湯婆婆の部屋にいる緑の頭の3人です。

かしらは、湯婆婆の部屋に入れる唯一の存在ですよね。

「おい おい」と言いながら湯婆婆の部屋を動き回る姿はとっても印象的です。

そんな頭(かしら)は、いつも坊のそばにいますし、時には一緒に遊んでいるように見えるシーンもあります。

銭婆に魔法をかけられたときも簡単に坊になっていたため、もともと似ていたからなのかもしれません。

かしらが「おい」しか話せないのも頭だけの姿も、湯婆婆が用のなくなった、かしらに魔法をかけてあの姿にしたとも考えられます。

湯婆婆の傲慢さは、想像するとどこまでも広がっていってしまいますね(笑)

湯婆婆の性格は横柄な上に強欲なので、自分のテリトリーのものを他人に任せるという思考はなさそうです。

そして、坊にとって1番が自分じゃないと嫌で、坊のお世話も自分しか許さない!と考えそう。。

そのため、かしらがなにもできなくなるように魔法で姿を変えてしまったのだと考えています。

 

坊って、かしらや湯バートに対しては千尋のように攻撃的ではないですよね。

それは、魔法で姿を変えられていても、感覚で父親とわかっているからなのでしょうか?

坊の父親を考察すると、さまざまな考えが浮かんできますね。

 

坊の父親、最後にご紹介する考察は、作品に登場しないキャラクターではないかというものです。

では、みていきましょう!




『千と千尋の神隠し』坊の父親は湯婆婆の上司では?

坊の父親が湯婆婆の上司だと考えられるのは、油屋には湯婆婆と対等な人がいないからです。

湯婆婆は油屋の従業員には誰に対しても強気な態度で、対等に会話をしているシーンがありませんよね。

作中に湯婆婆の上司は出てこないので、もしかするとあまり外に出ない人なのかもしれません。

あまり外に出ずに仕事をしているので、油屋の現場は湯婆婆に任せているのでしょう。

たしかに湯婆婆は油屋の経営者としてかなりプロ意識を持っていると感じます。

お客様第一ですし、新人の千尋が初仕事で成功したときには自分のことのように喜び褒めていました。

接客上手な湯婆婆を表に立たせることで、自分が裏で支えられると考え表には出てこないのでしょう。

そうしたことから、坊の父親は湯婆婆の上司だと考えられるのではないでしょうか。

表に出てこないため、育児も湯婆婆に任せっきりなので坊がわがままな子になっているのかもしれませんね。

 

では、なぜ坊をわがままなキャラクターにしたのでしょうか?

そこには宮崎駿監督の意図があると感じてしまう私です。

次に、坊のキャラクターを通して宮崎駿監督の思惑を考察してみたいと思います。




『千と千尋の神隠し』坊の成長が示す宮崎駿監督の意図を考察!

坊は、現代の子どもを表しています

過保護な親によって外に出ず閉鎖的な子になっているけれど、実は自分の意見もあり自ら進んで物事を進めることができるということです。

宮崎駿監督は、子どもたちに向けた映画を作り続ける監督です。

それは裏を返すと、子どもたちが生きている現代社会への危機感、皮肉をあらわす作品を発表しているとも言えます。

あえて皮肉をおおげさにストーリーにまぜることで、今の現代社会に警鐘を鳴らしているのでしょう。

現代の親をおおげさに表したのが湯婆婆と捉えるとどうですか。

湯婆婆は坊を部屋から出さないルールやお菓子・おもちゃを与えすぎるところなど、自分の子どもを甘やかせる過保護ですよね。

引きこもりの子どもが増えてきている現在、知らず知らずのうちに子どもの自発性を妨げていて本来の子どもの素性を見失ってしまっている親が増えてきているのかもしれません。

坊は、ねずみの姿になって初めて自発性が生まれました。

それは、湯婆婆がいない外の世界に初めて行き、さまざまな経験をしたことで自分の本当の素質や性格がわかったのです。

これまで、外は病気になる怖いところだと教えられて育った坊です。

そんな坊が、外に出たことで彼が本来持っていた相手への親切心や、自分でなんとかできる1人前の能力が顔を出しました。

もしそこで、湯婆婆がいたら今までと変わらず、外の世界に飛び込むことを阻止されていたはずですよね。

湯婆婆がいないことでできた体験は坊にとってなにより人生の糧となったことでしょう。

ということは、子どもに干渉しすぎるのも子離れや親離れができない原因となってしまということですね。

坊の成長を湯婆婆が妨げていたように、現代社会でもそれが宮崎駿監督の中では目立ち気になっていたのかもしれません。

宮崎駿監督はそういった現代社会への皮肉を意図して、坊の成長を描いたと考察しました。

自分の意志で行動することがこんなにも楽しいと経験した坊は、その後どのような男の子になっていくのでしょう。




『千と千尋の神隠し』坊のその後を考察!

ねずみになった坊に自発性が生まれたその後は、親離れをした可能性があります。

銭婆の魔法により、ねずみにされてしまった坊は千尋と一緒に初めて外に出ました。

外の世界ではやはり新しく見えてくるものがたくさんあります。

ただわがままを言って湯婆婆に頼り切って生きてきた坊は、そこで大きく成長したのです。

引用:THE ART OF Spirited Away

湯婆婆に自分の意見を言うことができ自分で行動ができるようになったため、これからは湯婆婆に黙って部屋の外に出るなど子どもらしい悪さをするかもしれませんね。

湯婆婆は坊がいなくなり、かしらが坊になっていたことに気づかずに過ごしていました。

そして、ハクに指摘されて気が付いたのです。

自分の子どもが違うことにまったく気が付いていないのは、坊のことを本当に愛しているとは言えないですよね。

坊が千尋と一緒に油屋に帰ってきたときも、坊が自分の足で立っていることにびっくりしていました。

もともと坊は歩くことはできていましたが、それを湯婆婆は知らなかったということですね。

坊と湯婆婆はお互いに依存しあっていたので、坊が親離れできるようになり湯婆婆も少しずつ坊の本当の姿を受け入れていくのではないでしょうか。




『千と千尋の神隠し』坊の声優は神木隆之介

坊の声優を務めているのは、神木隆之介さんです。

当時は8で声が高く幼いときなので、赤ちゃんの坊役にぴったりですね。

声変わり前なので、声を高くしよう声を低くしようと考えずにありのままの地声でアフレコに臨んだとのこと。

子どもの地声というのが、作品に味を出しているのですね。

神木隆之介さんは『千と千尋の神隠し』以外でも声優を担当しているジブリ作品がいくつかありますのでご紹介しましょう。

ハウルの動く城』
星をかった日』
借りぐらしのアリエッティ』です。

『ハウルの動く城」では、当時10歳でハウルの弟子であるマルクル役を演じました。

『星をかった日』では、当時13歳で男の子のノナ役。

『借りぐらしのアリエッティ』では、当時17歳で病弱な人間の翔役を務めています。

ジブリの4作品に出演されていますが、どれも大きな役ばかりで子ども時代から声優としても高い評価を得ているのがわかりますね。

神木隆之介さんは「千と千尋の神隠し」の坊役から「借りぐらしのアリエッティ」の翔役と、ジブリとともに成長しています。

坊の声は、神木隆之介さんが8歳の時の声なので、声変わりを終えている今はその声を出せないと本人も言っているのです。

もう、その声の坊と会えないと考えると感慨深いですよね。

いまや、俳優としての地位を確立してご活躍されていますが、あらためて幼い時から才能があった方なんだと再認識しています。

今後ますますのご活躍が楽しみな俳優さんですね。




『千と千尋の神隠し』坊のまとめ

『千と千尋の神隠し』に登場する坊は、当時8歳の神木隆之介さんが演じる年齢不詳の大きな赤ちゃん

湯婆婆が坊の母親だと言われていますが、実は魔法でできた実在しない子を愛でているだけなのかもしれませんね。

もし坊が実在する赤ちゃんであれば、坊の父親は今回挙げられた釜爺、おしら様、かしら、湯婆婆の上司の中にいるでしょう。

坊は、わがままで湯婆婆に敷かれたレールの上だけで生きてきましたが、銭婆にねずみにされてから大きな成長を遂げました。

そこで本来坊が持っていたさまざまな感性が磨かれ、自分の意思を湯婆婆に伝えられるようになったのです。

『千と千尋の神隠し』は、現代社会への皮肉を表した部分がたくさんあります。

他人事だとは思わずに、自分のあり方を見直すきっかけにもなるかもしれませんね。

 

『千と千尋の神隠し』には、坊のほかにも気になるキャラクターがたくさん!
こちらの記事で、たくさんご紹介しています。

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