米ロサンゼルスに「アカデミー映画博物館」が2021年9月オープンするにあたり、こけら落としとして『宮崎駿展』(academy museum of motion pictures hayao miyazaki)が開催されます。
新型コロナウィルス感染状況やワクチンの普及状況を鑑み、延期の判断が繰り返されていましたが、このたび9月30日に開催されることで、世界的に注目が集まっています。
宮崎駿展がアメリカの映画博物館のこけら落としで企画されるなんて、日本人としてとても嬉しいですね!
しかし、これまでアカデミー賞を受賞した多くの映画監督がいる中で、なぜ宮崎駿監督の回顧展が企画されることになったのでしょう?
では、一緒にみていきましょう。
アカデミー映画博物館オープン|スタジオジブリこれまでの受賞歴
アカデミー賞 長編アニメ映画賞は、2002年にスタートした比較的新しい部門です。
これまで、宮崎駿監督をはじめとしたスタジオジブリ作品の受賞歴を一覧にまとめました。
受賞年 | 作品名 | 監督 その他 |
2003年 長編アニメ映画賞 受賞 | 千と千尋の神隠し | 宮崎駿監督 |
2006年 長編アニメ映画賞 ノミネート | ハウルの動く城 | 宮崎駿監督 |
2014年 長編アニメ映画賞 ノミネート | 風立ちぬ | 宮崎駿監督 |
2015年 長編アニメ映画賞 ノミネート | かぐや姫の物語 | 高畑勲監督 |
2016年 長編アニメ映画賞 ノミネート | 思い出のマーニー | 米林宏昌監督 |
2017年 長編アニメ映画賞 ノミネート | レッドタートル ある島の物語 |
鈴木敏夫プロデューサー マイケル・デュドク・ドゥ・ヴット監督 |
2001年に日本で公開された『千と千尋の神隠し』がアカデミー賞 長編アニメ映画賞を受賞したことは、当時ニュースで大きく取り上げられました。
これまで作品を観たことがない方でも宮崎駿監督の代表作であることは、広く知られていることではないでしょうか。
受賞作品の魅力やみどころなどをこちらにまとめています!
そして、2015年にはアカデミー賞 名誉賞を宮崎駿監督が受賞しています。
日本人としては、1989年に黒澤明監督が受賞して以来の快挙で当時話題になりました。
映画界へ多大な貢献をし、ひとつの作品にとどまらず多くの功績をのこした人や団体の栄誉を称えて贈られる賞です。
このことは、日本人として誇らしいと感じますし、宮崎駿監督と同じ時代に生きていられる幸せを感じずにはいられません。
アカデミー映画博物館で ジブリ『宮崎駿展』が開催されるのはなぜ?
では、なぜアカデミー映画博物館のこけら落としで『宮崎駿監督展』が開かれるのでしょうか?
アカデミー賞といえば、ご承知のとおり映画界最高峰の賞であり、その博物館のオープニングを記念する特別展が宮崎駿監督の足跡をたどる展示であるということは、これまでの宮崎駿監督の映画界への功績が認められたということですし、自然な流れなのかもしれませんね。
アカデミー映画博物館がロサンゼルスにもうすぐオープン。
こけら落としはアメリカ初となる宮崎駿の回顧展https://t.co/t4zQcUBCEV pic.twitter.com/i9Sd3PT76V
— 美術手帖 ウェブ版 (@bijutsutecho_) September 21, 2021
この『宮崎駿展』のキュレーターである、ジェシカ・ニーベルさんは、インタビューで宮崎駿監督について次のように語っています。
そうなんですよね、宮崎駿監督の作品には「人が生きていく上で直面する矛盾や曖昧な部分」を、じんわりと感じさせてくれる、そんな力があると私は感じています。
子どもたちに向けて映画をつくる宮崎駿監督からのメッセージ
今の子どもたちは昔に比べると、「そんなにうまくいくわけがない」とか「それ、ムリ」など、やってみることもせずに否定的になることが多いように感じます。
世の中を生きていくなかで、希望だけではなく"自分で心に問いかけ、心でしっかり受け止めなければならない現実"があることを、アニメーションをいう子どもたちが大好きなジャンルで説いてくれていることが、子どもと一緒にジブリ作品を観ている親として、とてもありがたく感じています。
これまで発表された宮崎駿監督の作品は"子どもたち"に向けた作品がほとんどですが、人生の曖昧さや矛盾を受け止めながら生きること、それは子どもだけでなく大人になっても大切な人生訓です。
それを心でしっかり受け止めること、そしてその先に見えてくるものが、視聴者それぞれの考え方で感じ取ることができる作品を発表し続ける宮崎駿監督をはじめとしたスタジオジブリ作品は素晴らしいと感じていますし海外でも人気の理由なのではないかと思っています。
子どもには、ずっとジブリ作品を心のどこかに携えながら人生を歩んでいってほしいと願わずにはいられません。
我が家の宮崎駿監督作品との関わりについては、こちらをご覧ください。
アカデミー映画博物館で開催『宮崎駿展』の図録が日本で品薄!
アメリカロサンゼルスのアカデミー映画博物館で開催される『宮崎駿展』は、宮崎駿監督の半世紀以上にわたる監督・作家活動の回顧展となっています。
アカデミー賞受賞作品のみならず、宮崎駿監督がかつて場面設定などの制作に携わっていたテレビアニメ『アルプスの少女ハイジ』や劇場アニメ初監督作品『ルパン三世 カリオストロの城』などから『風立ちぬ』までの作品を、あわせて300点以上のイメージボードや絵コンテ、背景画などが展示されます。
そして、その図録が日本でも販売されており人気となっていますが、現在は入荷待ちとなっていてファンの間では再入荷を待ち望む声があがっています。
私もぜひ欲しいです!
https://ghib-mori.com/hayao-igai-2071
米アカデミー映画博物館/ジブリ『宮崎駿展』 まとめ
・時間指定の前売入場券は、公式サイト(academymuseum.org)にて購入できます。
・アカデミー映画博物館 住所:6067 Wilshire Boulevard, Los Angeles, CA 90036
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