宮崎駿作品で「ジブリ以外」のものってどんな作品があるの?

宮崎駿
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宮崎駿監督の作品といえば、スタジオジブリの『となりのトトロ』『天空の城ラピュタ』などを主なものとしてあげる方が多いのではないでしょうか?

2001年に公開された『千と千尋の神隠し』では、2002年のベルリン国際映画祭の金熊賞、2003年のアカデミー賞では長編アニメーション映画賞を受賞するなど、いまや世界的に有名なアニメーション監督です。

そんな宮崎駿監督が携わった「ジブリ以外」の作品って、どんなものがあるかご存知ですか?

今回は、楽しいアニメがたくさん!宮崎駿さんのジブリ以外の作品について調べてみました。




宮崎駿作品でジブリ以外のものは?|初監督作品

アニメーターでもある宮崎駿さんは、若いころ数々の作品に携わっていました。

その中から、まず"初監督"を務めた作品をご紹介します。

宮崎駿作品でジブリ以外のもの|未来少年コナン

宮崎駿初監督テレビアニメ作品として有名です。(1978年4月から10月 全26話)

2020年4月には、NHK総合で全26話のデジタルリマスター版が放映されました。

 

https://twitter.com/nhk_gtv/status/1322918072705978377?s=21https://twitter.com/nhk_gtv/status/1322918072705978377?s=21

 

今から40年以上前の作品ですが、そんなことを一切感じさせないストーリー展開に、家族全員大興奮して観ました。

時は西暦2008年、核兵器をはるかに超える威力をもつ"超磁力兵器"を用いた最終戦争が起こり、人類はほとんどが亡くなりたくさんの街が海中に沈みました。

この物語は、戦争が終わって20年後、コナンとおじい(祖父)二人だけで暮らしていたところから始まります。

主人公コナンは12歳、とても活発な男の子でとにかく人並外れた身体能力をもっています。

ある日コナンは、おじいと二人で暮らしていた"のこされ島"の海岸に漂流したヒロインの女の子ラナ(12歳)を助けますが、彼女は科学都市インダストリアの者たちから追われる身でした。

そして、ラナを追ってきたインダストリアの人間達から守ろうと自らの命を落としてしまったおじい。

コナンは悲しみに暮れる中、インダストリアにされわれて行ったラナを助けるため"のこされ島"から旅立つことを決めます。

「残された人びと」(アレグザンダー・ケイ著)を原作とした作品ですが、キャラクターの設定をはじめさまざまな変更が加えられている作品でもあります。

しかし、原作をご存知の方は"あの原作をここまでの展開にする宮崎駿監督はスゴイ"との評価も見受けられるほどの「手に汗にぎる展開」に、テレビアニメ「未来少年コナン」全26話を観終わったときには"もう一回観たい"との思いにさせてくれる作品です。

「未来少年コナン」公式ホームページ(日本アニメーション)もありますので、ぜひ作品に触れてみてください。大人も子どもも楽しめますよ!



宮崎駿作品でジブリ以外のもの|ルパン三世 カリオストロの城

宮崎駿初監督劇場用アニメ作品です。(1979年12月15日 劇場公開)

監督名は知らずとも、この作品をご存知の方は多いのではないでしょうか?

これも「手に汗にぎる展開」が多いですが、お城に閉じ込められているクラリスとルパンの心理描写がとても印象的。緩急をつけた展開で見応えのある作品でもあります。

劇場公開当時は、興行収入もあまり振るいませんでしたが、アニメファンの間では"不朽の名作"と語り継がれている作品です。

とにかく、クラリスの透明感が印象に残る作品です。



宮崎駿作品でジブリ以外のものは?|その他の作品

では、宮崎駿さんが監督以外でクレジットされている作品をご紹介しましょう。

宮崎駿作品でジブリ以外のもの|パンダコパンダ

原案・脚本などを担当。1972年12月17日に公開された映画で、演出は高畑勲さんです。

この作品は"楽しい"のひとことです!

我が家では、主人公のミミ子ちゃんの真似をして"逆立ち"を子どもがやっていました。

宮崎駿さんもよく語っていますが"文句なしにおもしろい"という作品が子どもには良い!と。

親として子どもと一緒に見ているとミミ子ちゃんのしっかりした性格がとても印象的で、家事もなんでもこなす生活ぶりにびっくりしますが、なにより"いつも笑顔、前向き"な姿に、大人もほっこりします。

それと、水森亜土(みずもり あど)さんが歌う、主題歌「ミミちゃんとパンダ・コパンダ」のメロディーがとても耳馴染み良く、子どもはしばらく歌い続けますよ(笑)

また、この作品の上映時間が34分ということで、小さなお子さまに見せるにはちょうど良い作品だと思います。

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宮崎駿作品でジブリ以外のもの|パンダコパンダ雨ふりサーカスの巻

こちらは、パンダコパンダシリーズの第二弾。(1973年3月17日公開 演出 高畑勲さん

宮崎駿さんは、脚本・美術設定などを担当しています。

この作品で特徴的なのは、題名のとおり、雨が降ります。

それもかなりの量で(笑)。

ミミ子ちゃんは、サーカス団のどうぶつ達を助けるために、ベッドを船がわりにして助けに行きます。

いつも前向きなミミ子ちゃん、好奇心旺盛なパンダの子パンちゃん、そして頼りになるパパンダが繰り広げるたくさんのエピソードに、子ども達は大喜びすること間違いなしの作品です。

制作当時30歳前半だった宮崎駿さんは、当時5歳(吾朗さん)と2歳(敬介さん)、二人の息子たちの喜ぶ姿を想像しながら制作していたのだろうと思うと、なんだか親近感が湧いてきますね。

ちなみに、パパンダはトトロの原型とも言われています。

また劇中で、町が水浸しになるシーンは『崖の上のポニョ』を彷彿とさせますよね。

スタジオジブリ作品の源流を辿るような作品です。

パンダコパンダの公式ホームページもありますので、ぜひご家族でお楽しみください。



宮崎駿作品でジブリ以外のもの|アルプスの少女ハイジ

1974年1月6日~12月29日(全52話)にテレビで放送され、演出は高畑勲さんです。

この作品で宮崎駿さんは、場面設定や画面構成を担当されました。

今は、某企業のCMにも起用されているので、子ども達にも認知されているキャラクターかもしれませんね。

しかしキャラクターを知っているだけではもったいないほど、ストーリーや画面の構成、ハイジの心の成長の描写など、とても印象に残る作品です。

ぜひ全52話を、現代の子供たちにも観てもらいたい作品です。

ちなみに、バッチリどハマり世代の私が一押しするのは、やはりクララが立ったシーンです。

涙なしでは観られません。

エンドロールで流れる映像とエンディング曲「まっててごらん」は、とくに私はお気に入りでした。

制作当時としては、冒険活劇でもない少女の日常を描く作品なんて!との声もあったようですが、主人公やハイジを取り巻く大人の心理描写も深いものがあり、現代にも十分通じる作品だと思います。

ちなみに、こちらも公式ホームページがありますので、ぜひ作品に触れてみてはいかがでしょうか。



宮崎駿作品でジブリ以外のもの|太陽の王子ホルスの大冒険

1968年7月21日公開の映画で、高畑勲さんが演出、宮崎駿さんは場面設計と美術設計を担当しました。

この『太陽の王子 ホルスの大冒険』は高畑勲さんの初監督作品(当時は監督ではなく演出と表現)です。

「東映まんがまつり」って、幼いころ観に行きましたがこの作品も「東映まんがパレード」としてテレビ版の「魔法使いサリーちゃん」や「ゲゲゲの鬼太郎」とともに、夏休みに上映されました。

この作品は「チキサニの太陽」というアイヌ民族の話をもとに作られた戯曲を原作としており、太陽の剣を持つ主人公の少年ホルスと氷の悪魔グルンワルドが戦っていくというお話です。

物語には、当時の社会的問題が投影されるなど、冒険活劇と一言では語れない側面もあり、大人にも深く問いかけるストーリーとなっています。

当時では15万枚という異例の作画枚数で、ディズニー映画を観ているようなクォリティーの高いキャラクターたちの動きにびっくりすることと思います。
(ちなみに『千と千尋の神隠し』の作画枚数は約11.2万枚)

宮崎駿さんが師と仰ぐ高畑勲さんの日本のアニメーション界に遺したものはとても大きいものだということが感じられると思います。

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宮崎駿作品でジブリ以外のもの|まとめ

お気づきでしょうか?
宮崎駿さんが若い頃携わった作品は高畑勲さんが監督をされたものばかりであり、数々の作品に"ジブリの源流"が感じられました。

1963年に宮崎駿さんがアニメーターとして東映動画(現 東映アニメーション)に入社し、先輩である高畑勲さんと出会ったことが、のちの日本のアメニーション界に多大な足跡を残すことになるのだと思うと、改めて作品を観てみたくなりました。

制作に携わった当時の宮崎駿さんの年齢と比較しながら、制作年順で一覧にしてみました。
ぜひお子様と良質なアニメーションに触れてジブリスタートをしてみませんか?

題名公開
(放送)
上映時間クレジット

 年齢

太陽の王子ホルスの大冒険1968年82分場面設計・美術設計27歳
パンダコパンダ1972年34分原案・脚本・画面設定31歳
パンダコパンダ 雨降りサーカスの巻1973年38分脚本・美術設定・画面構成32歳
アルプスの少女ハイジ1974年全52話場面設定・画面構成33歳
未来少年コナン1978年全26話監督
キャラクターデザイン
メカニックデザイン
37歳
ルパン三世 カリオストロの城1979年100分脚本・監督38歳

宮崎駿監督の回顧展が、米ロサンゼルスにオープンするアカデミー映画博物館で開催されます。

半世紀以上にわたる宮崎駿監督の足跡をたどる企画展で、今回ご紹介した『アルプスの少女ハイジ』も展示されます。

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