耳をすませばの声優!父親役に起用された理由は立花隆さんのお父さんらしさ

耳をすませば
引用:https://www.ghibli.jp/works/mimi/
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1995年に公開された『耳をすませば』は、スタジオジブリ作品の中でも、素朴な印象でひそかにファンが多いといわれる作品です。

この作品には同名の原作があり、原作者は宮崎駿さんと家族ぐるみの仲ということで知られる少女漫画家の柊あおいさん(ひいらぎ あおい)です。

主人公の女子中学生月島雫(つきしま しずく)が、図書カードを通じて知る男の子、天沢聖司(あまさわ せいじ)のキャスト声優を、若き日の高橋一生(たかはし いっせい)さんが演じていることでも知られています。

髙橋一生さんは、若い時から味がある演技で定評があり、現在演技派俳優の筆頭とも目される彼の声は、この作中でも瑞々しく輝いていますよね。

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一方、主人公月島雫の父親役の声優さんが気になった方も多いのではないでしょうか。

高橋一生さんの演技や他の声優の方々の演技とは何となく雰囲気が違っていて、独特の存在感を放っていてとても印象的です。

あの月島雫のお父さん役のキャスト声優を務めた方は、立花隆(たちばな たかし)さんです。

立花隆さんとは一体どんな方なのでしょう。

また『耳をすませば』の主人公の父親役を務めることなにったきっかけなどについてお伝えしていきます。

では一緒に見ていきましょう!



『耳をすませば』の声優|立花隆さんってどんな人?なぜキャスト声優に?

主人公月島雫の父親、月島靖也(つきしま せいや)のキャスト声優を務めたのは、ジャーナリストの立花隆さんです。

なぜ、ジャーナリストの立花隆さんが出演することになったのでしょう?

 

スタジオジブリ作品には、これまでも、さまざまなジャンルの方が声優として参加されていますよね。

立花隆さんのほかには、2013年公開『風立ちぬ』の主人公を演じていた映画監督の庵野秀明さんが記憶に新しいところです。

そのほか、コピーライターの糸井重里さんは、1988年に公開された『となりのトトロ』で、サツキとメイの父親役を演じたことで話題になりました。

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それでは、立花隆さんとはどのような方なのでしょうか。

そして、ジャーナリストの方がキャスト声優として起用された理由がとっても気になるところ。

では、立花隆さんのプロフィールをご紹介します。

 

立花隆(たちばな たかし)
◉1940年5月28日-2021年4月30日(享年80歳) 長崎県長崎市ご出身
◉1946年 父の郷里である茨城県水戸市に住む。
◉1964年 東京大学文学部フランス文学科卒業後、文藝春秋に入社(3年で退社)。
◉1967年 東京大学文学部哲学科に学士入学するも1970年大学事務と衝突し中退。
◉その後は、ジャーナリスト、ノンフィクション作家、評論家として活躍。
◉1974年、文藝春秋に『田中角栄研究〜その金脈と人脈』を発表。
この著作がきっかけとなり、田中角栄内閣を総辞職に追い込んだ。
◉2007年 膀胱がんの手術を受け、がんの正体を根源的に見つめ直す活動を続けた。
◉2021年 急性冠症候群のため死去
                                             引用:Wikipedia

立花隆さんは、政治に関する事象のほかにも社会問題や宇宙、生命など多岐にわたる著作を発表していらっしゃいます。

また、立花さんご自身がが患った「ぼうこう癌」をも取材の対象としてきました。

その多岐にわたる知識欲と見識の深さから"知の巨人"という異名を持っていたことでも有名です。

 

スタジオジブリとのつながりも深く、ジブリ作品の解説本である『ジブリの教科書1 風の谷のナウシカ』ではナビゲーターを務めていました。

立花隆さんが月島雫の父親役に起用されたのは、スタジオジブリで企画された勉強会の講師を務めたことや、立花隆さんの"茨城弁"も起用の大きなきっかけになったようです。

起用の経緯については、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーがナビゲーターを務めるTOKYO FM「ジブリ汗まみれ」にて、2013年5月に立花隆さんをゲストに迎えた際に明らかにしています。

 

鈴木敏夫さんによると、そのとき宮崎駿さんは"現代の父親像"を主人公月島雫の父親に求めていたといいます。

また「役者さんだと所謂”お父さん” になっちゃう。昔の一家の大黒柱のお父さんと違い、現代のお父さんはお父さんであってお父さんでない。自分の好きなことをやってる存在感が欲しい」と述べています。

 

この作品では鈴木敏夫さんの思惑通り、よく耳にするイメージの父親の声とは一線を画す印象的な演技となっていますね。




『耳をすませば』の声優|雫の父親がセリフ棒読みで下手!との評価

前述のとおり『耳をすませば』の主人公月島雫の父親役はプロの声優や俳優さんではなく、ジャーナリストの立花隆さんが演じました。

そういった理由もあり、彼の演技は一聞すると棒読みで下手なのでは、という意見もあります。

たしかに、声優の演技としては棒読みのようにも聞こえますよね。

でも、宮﨑駿監督が意図する"現実の父親そのもの"として捉えてみるとどうでしょう。

立花隆さんの存在感と演技は鈴木敏夫さんの意図通り、”現代の父親像” を見事にとても自然に演じているといえるのではなかと感じます。

あのカンジは、プロの声優さんでは"到底出すことができない味"だと私は思っています。


『耳をすませば』の声優|雫のお父さんなまりが独特で気になる!!

主人公月島雫のお父さんはあの独特のなまりも印象的ですよね。

鈴木敏夫さんは立花隆さんを起用したきっかけとして

「上手い下手は関係なくて、とにかく茨城県·水戸のなまりが欲しかった。」

と語っています。

やはりあの演技は全て、鈴木敏夫さんのイメージがぴたりと具現化されたものだったのですね。

上手い下手だけで声優を選ぶのではないところが、スタジオジブリ作品の美意識と作品づくりの姿勢を物語っているともいえますね。



『耳をすませば』の主人公の父親役の声優についてのまとめ

『耳をすませば』の主人公月島雫の父親役を演じた立花隆さんと彼を起用した経緯に関して、いかがだったでしょうか。

"知の巨人” の異名を持つ立花隆さんという人間性も大変興味深いです。

また、俳優や声優ではない彼を、主人公の父親という重要な役どころにに起用するスタジオジブリの作品づくりへの姿勢に思いを馳せると、ますますジブリ作品が魅力的に愛おしく感じられてくるのではないでしょうか。

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