『耳をすませば』と『猫の恩返し』が繋がってるってホント?
バロンが両方の作品に登場している!?どうして?
2002年7月に公開された映画『猫の恩返し』は、主人公の女子高生・吉岡ハルが交通事故に遭いそうだった猫を救ったことから始まる物語です。
続編を作らないスタジオジブリとしては珍しく『猫の恩返し』と『耳をすませば』は繋がりのある作品なのです。
いったいどんな関係になっているのでしょうか?
どちらの作品にも出演しているバロン・ムタのキャラクターや原作者について詳しくお伝えします。
また、2作品はどっちが先に上映されたのか?や、ウクレレの音色がなんとも心地よい主題歌など、気になることを調べてみました。
耳をすませば・猫の恩返しのつながりって?どっちが先なの?
『猫の恩返し』と『耳をすませば』がつながってるって、どーゆーこと?
『耳をすませば』のヒロイン月島雫が描いた小説が『猫の恩返し』という設定になっています。
そのために、この2作品には繋がりがあると言われているのです。
それぞれの劇場公開年は次の通りです。
『耳をすませば』1995年(近藤喜文 監督)
『猫の恩返し』2002年(森田宏幸 監督)
どっちが先かといえば『耳をすませば』が『猫の恩返し』よりも7年前の作品となります。
でも『猫の恩返し』を観ている限り『耳をすませば』に関連しているという設定は出てこないんですよね。
なので「つながってるってどーゆーこと?」と疑問に思われる方が多いのでしょう。
続編と名打つのではなく、このような形で二つの作品が繋がっているって、とてもジブリらしくて嬉しく感じました。
二つの作品をまだご覧になっていない方で、どちらの作品を先に観た方がいいのか?迷っている方はいませんか?
ちなみに、我が家では『猫の恩返し』を先に観ました。
しかも『耳をすませば』とのつながりについても知らないままでしたがとても楽しめましたよ!
耳をすませば・猫の恩返しのつながりって?バロンとムタが大活躍!
『猫の恩返し』で、まず思い出されるのが、カッコイイ猫の男爵バロンですよね!
ヒロインのハルも最後には心を奪われてしまうカッコイイ猫です。
バロンの声優は袴田吉彦(はかまだ よしひこ)さん!袴田さんの声は、剣さばきが素晴らしく、品があり紳士的なバロンのイメージにぴったりです。バロンの本名はフンベルト・フォン・ジッキンゲン。
「私は、フンベルト・フォン・ジッキンゲン。ハルを迎えに来た!」
このセリフが、かっこいいですよね。
『猫の恩返し』の主人公・吉岡ハルが猫の事務所を訪れたとき、バロンが特製スペシャルブレンド紅茶を入れるシーンがありますが、事務所の所長を務めるバロン自身が、自慢の紅茶を振る舞うなんて素敵です。
そして、そのバロンが『耳をすませば』にも登場しているのです。(こちら↓)
とてもキリリとした表情の猫ですよね。これは人形(置物)です。
この置物を見たことで、バロンに魅力を感じたヒロイン月島雫。
そして、彼女が発想を得て劇中で描いた小説の中にバロンが登場します。(こちら↓)
やっぱし、カッコいい!
ちなみに「バロン」とはフランス語で男爵(Baron)という意味です。
そして、バロンとともに『猫の恩返し』と『耳をすませば』両作品に出演しているのが、ムタというデブ猫です。
ハルを猫の事務所に案内する、あの無愛想な猫ちゃんです。
耳をすませば・猫の恩返しのつながりって?主題歌の詞に込められたこと
映画『猫の恩返し』は観たことがなくても主題歌の「風になる」は聞き覚えのある方が多いのではないでしょうか?
つじあやのさんの6枚目のシングルとなる「風になる」は、映画『猫の恩返し』のために作られたものだと思われますが、映画のエンディングには、原曲ではなく、ウクレレによるアコースティックバージョンが使われています。
『耳をすませば』を観たことがある方なら、歌詞の"自転車"や"坂道"というキーワードが、
これって?『耳をすませば』の主人公・月島雫と天沢聖司のこと?と思わせる内容ですね。
となると、
『猫の恩返し』に触れている部分は、歌詞からはあまり読み取れない気がしますが、逆にその謎めいていることが、ポロロンポロロンというウクレレの音色と対比して、映画のイメージを作っているような気がします。
耳をすませば・猫の恩返しのつながりは原作者にあり!
ジブリ作品は宮崎駿さんが原作というイメージを持ってしまいますが、『猫の恩返し』の原作者は柊あおい(ひいらぎ あおい)さん(原作:バロン-猫の男爵)です。
そして、『耳をすませば』の原作者も柊あおいさんなのです。
『猫の恩返し』と『耳をすませば』のつながりのもうひとつは原作者が一緒なんです!
なんでも宮崎駿さんが漫画雑誌「りぼん」の1989年の8〜11月号に連載されていた『耳をすませば』を見たことがきっかけで映画化となったようです。
スタジオジブリといえば、児童文学作品の中から映画化の原作が選ばれることが多いので、まさか日本の漫画雑誌に連載されていたものが映画化されているなんてちょっと驚きでした。
幼児期から思春期まで、幅広い年代の映画を作りたいという宮崎駿監督の思いが受け取れますね。
猫の恩返し|映画の舞台となった場所は?
舞台の中心は神奈川県横浜市ですが、シーンによっては東京都内もあるようです。
ハルが猫の事務所を探している時にムタと出会う十字街商店街のシーンは、石川町駅にある元町商店街をイメージしているといわれています。ノスタルジックな街並みが、「猫の事務所」の所在地にぴったりだと感じました。
「十字街」という名称は、原作者の故郷である北海道函館市にある「十字街停車場」から付けられたのではなかといわれています。こんなネーミングはユーモアがあっていいですね。
その他、ハルの登校やルーン王子を助けたシーンは、表参道や阿佐ケ谷駅南口を出た中杉通りを参考にされているとのこと。きれいなケヤキ並木が続くステキな通りですよね。
そしてなんと!ルーン王子がお魚クッキーを持って出てくるケーキ屋さんは、高円寺駅近くに実在するようです。
ルーン王子が出てきたケーキ屋のモデルは、新高円寺駅近くにある「MYNT」さんの旧店舗です。現店舗には森田宏幸監督のイラストとサインがあり、おさかなクッキーも販売しています。#猫の恩返し pic.twitter.com/Rkx0OuwSBZ
— キャッスル@ジブリフリーク (@castle_gtm) August 24, 2018
耳をすませば・猫の恩返しのつながり|まとめ
・『耳をすませば』のヒロイン月島雫が描いた小説が『猫の恩返し』という設定でつながっている。
・どちらの作品にも登場しているのがバロンとムタ。このキャストでつながっている。
・主題歌「風になる」は『耳をすませば』を感じさせる歌詞が、つながっている印象。
・『耳をすませば』と『猫の恩返し』の原作者は柊あおいさん。原作者がつながっている。
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