『魔女の宅急便』のあらすじを登場人物の魅力を紹介しながらお伝えします!
1989年の公開からすでに30年以上が経っていますが、いまだに色あせることなく主人公キキの心が揺れながら成長してゆく姿に胸が熱くなる映画です。
また、キキの家族やコリコの街の人々とのふれあいの中で、多感な時期に思いを深くする主人公の気持ちが、手にとるように感じられる作品でもあります。
少女の物語ですが、大人になってから観ても、心の奥のドアをノックしてくれるようなお話なんですよね。
そしてつい、同年代の子どもを持つ親の視点で観てしまい、ほっこりしたり涙したりする作品でもあるのです(笑)。
今回は『魔女の宅急便』のあらすじを登場人物の紹介とともにお伝えします!
魔女の宅急便【登場人物とあらすじ】キキの家族たち
『魔女の宅急便』には、印象に残るキャラクターがたくさん登場しますよね。
ではさっそく、キキの家族たちから、一緒に見ていきましょう!
魔女の宅急便【登場人物】 キキ 13歳
この物語のヒロイン。
13歳になったばかりの魔女。魔女の世界の掟として"13歳になったら故郷を離れて1年間一人で暮らす"という修業に出ることになっています。これまで習得した魔法は"空を飛ぶこと"だけです。
キキは、自分の力で修業する街を探してコリコの街にたどり着き、特技を生かした仕事"おとどけものやさん"を始めます。
"仕事をする"ということの厳しさや楽しさを、真正面から受け止めて少女が大人になっていく姿がとても印象的です。
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魔女の宅急便【登場人物】 コキリ 37歳
キキのおかあさん。
キキの故郷の街で"薬を作る魔法"を使ってお店を開いています。
旅立ちの日のキキとコキリの会話は、子どもがわかりやすい言葉で"女の子にとって何が大切か"を語っています。
コキリもまた、13歳のときに現在住んでいる街に修業で降り立ってきたという経緯を、薬の調合を待っている馴染みのお客様(ドーラさん)が語っています。
コキリって誰?と感じた方もいるのではないでしょうか。劇中では名前で呼ばれるシーンはないのです。お店の入り口に"コキリ"と書かれているのみです。
魔女の宅急便【登場人物】 オキノ
キキのおとうさん。
劇中では、キキの旅立ちを知らせるため、電話をしているときに「オキノです」と名乗っています。ちなみに"オキノ"は名前です。
旅立ちの日、キキに「いつの間にこんなに大きくなっちゃったんだろう」と語るセリフが、とてもリアルな感情を表現しており、幼い頃からの"父と娘の関係"の築き方がステキな家庭だったんだということを感じさせるシーンが印象的です。
魔女の宅急便【登場人物】 ジジ 13歳
キキとともに修業へ旅立つ黒猫。男の子です。
キキにとっては友達であり、良き仲間でもあります。
劇中では触れていませんが、角野栄子さんの原作「魔女の宅急便」では、ジジについて次のような記述があります。
魔女のおかあさんは、女の子が生まれると、同じ時期に生まれた黒猫をさがして、いっしょにそだてていきます。そのあいだに、女の子と黒猫はふたりだけのおしゃべりができるようになるのでした。やがてひとり立ちする女の子にとって、この猫は、とてもたいせつななかまです。悲しくっても、うれしくても、分かちあえる者があることは、とても心強いことなのです。
「魔女の宅急便」福音館書店 1お話のはじまり
魔女の宅急便【登場人物とあらすじ】コリコの街の人々
キキが住むことに決めた街の名前は『コリコ』。
とっても可愛らしい街の名前ですよね。
この街には、キキの成長を温かく見守ってくれる登場人物がいっぱいです!
魔女の宅急便【登場人物】 おソノさん 26歳
キキが仕事を始めることに決めた街、コリコで「グーチョキパン店」というパン屋を営む女性。
キキの"相手を思いやる気持ち"や"こころよく人のお世話をする"という気持ちに触れ、普段使っていない屋根裏部屋に住むよう声をかけてくれます。
また、キキの仕事が軌道に乗るまでのさまざまな足掛かりを提案してくれるなど、キキにとってはとても頼りになるキキが思わず言っちゃう"おかみさん"という言葉がピッタリな女性です。
キキと知り合った頃は妊婦さんでした。劇中では「生まれそうだ」というシーンで終わっていますが、エンディングでは、赤ちゃんを抱っこしている描写があります。
魔女の宅急便【登場人物】 フクオ
キキが居候する「グーチョキパン店」のご主人。おソノさんの旦那さんです。
言葉少なに、黙々とパンを焼く姿が印象的なご主人ですが、ジジにウィンクしたりする描写など優しい人柄が伺えます。
また、キキに"おとどけものやさん"の看板を作ってあげた日、キキの帰りをソワソワしながら待つ姿は、なんともお茶目。あのおソノさんが惚れた男だけあるなぁ、といった印象です。
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魔女の宅急便【登場人物】 トンボ(コポリ)
飛行クラブに所属する"飛ぶことに夢中"な男の子。
キキがほうきで空を飛ぶ姿を見て興味津々ですが、馴れ馴れしく話しかけたことで、ピシャリ!と嫌われてしまいます。
どのシーンでも、トンボの"空を飛びたい"という気持ちは全開!
魔法が弱くなり自信をなくしていたキキの心を次第に解いていったのも、トンボの前向きで明るい性格があったからかもしれません。徐々にキキと心を通わせていく様子はとても微笑ましいです。
魔女の宅急便【登場人物】 ウルスラ 18歳
キキが荷物を届ける途中で、依頼主の荷物である黒猫のぬいぐるみを落としてしまい、それを拾っていたのが、この絵描きであるウルスラです。
キキとはじめて出会うシーンでは、デッサンに集中している様子が印象的です。
キキにとって"お姉さん"的な存在になっていきますが、ウルスラ自身もキキから受けたインスピレーションで作品を制作しており、お互いがとてもいい関係でおつきあいができています。
劇中では、ウルスラと名前が出てくることはありません。私も子どもが読んでいた絵本で名前を知りました。
魔女の宅急便【登場人物】 先輩魔女
キキの旅立ちの日に出会う魔女。占いの仕事をしており、まもなく1年間の修業を終えると語っています。
これから住む場所や仕事を探すキキに対して、彼女は、何か得意なことはないのか?と問いかけ、このことが"おとどけものやさん"を思いつくきっかけになっているようです。
魔女の宅急便【登場人物】 老婦人 70歳
青い屋根のお宅に住む"おとどけものやさん"のお客様で、孫へお手製の"ニシンとカボチャの包み焼き"を届けて欲しいという依頼をします。
キキの明るく素直な人柄に惹かれ、二人が心を通わせてゆくストーリーがとても印象的です。
魔女の宅急便【登場人物】 バーサ
青い屋根のお宅に住む老婦人に仕える使用人のおばあさん。
キキが初めて荷物を受け取るために、老婦人お宅へ伺った時は「時間通りでしたね」と出迎え、キキの仕事に対する姿勢を評価しているようなセリフが印象的です。また、キキが持っていたほうきに興味を示し、またがって飛ぼうとしている描写がなんとも可愛らしいおばあさん。
また、2度目にキキが老婦人のお宅へ行ったときは、とても嬉しそうに出迎える様子がとても印象的です。
ネット上では、老夫人が「バーサ」と呼ぶシーンで"ばあさん!と読んでいるように聞こえた"とのツイートが話題になっています。
魔女の宅急便【登場人物】 老婦人の孫娘
キキが老婦人から預かった荷物(ニシンとカボチャの包み焼き)の受取人。
また、トンボの友達でもあります。
キキが荷物を届けたとき、自分の嫌いなものであったこと、また祖母である老婦人の好意を迷惑と捉えている態度をすることで、キキが落ち込む様子は、観ていて胸が痛くなるシーンのひとつです。
その後、トンボの仲間達と共にキキを見つけた場面では、孫娘の"働いている"キキに対する表現が、キキの気持ちと対照的に描かれており、とても印象に残っているシーンです。
魔女の宅急便【登場人物】 マキ
"おとどけものやさん"の初めてのお客様。ファッションデザイナー。
グーチョキパン店の近所に住んでおり、白猫を飼っています。
キキが彼女について語るシーンでは、デザイナーという仕事や美しい容姿など、彼女へのあこがれの気持ちが表現されています。
魔女の宅急便【登場人物とあらすじ】 リリー
マキさんが飼っている白猫。キキの知らぬ間にジジと仲良くなっていました。
ジジが、キキにリリーを紹介したとき、よろしくね!と伝える描写がキキの人柄を表現しているように感じます。
魔女の宅急便【登場人物とあらすじ】 まとめ
キキの旅立ちから自立してゆくまでを描いた『魔女の宅急便』。
思春期を描いているといわれていますが、親の立場で観ていくと、ちょっとしたストーリーも心に響くものがあります。
マキさんが決めた、キキの仕事に対する代金のこと。
老婦人の2回目のお届けものがキキへのケーキだったこと。 などなど
これらはすべて、キキが"人に愛され信用される"という人間力が生み出した結果だと感じるのです。
自分のことを自分で評価する人が多いと感じる世の中、そんなキキの魅力が人の心を動かしていくという評価に繋がっているのだ、ということを教えてくれているような気がします。
コキリさん、オキノさんがどのような家庭をつくりキキを育ててきたのかを想像しながら、何度も繰り返し観ていきたい作品です。
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