2008年に公開された名作ジブリ『崖の上のポニョ』。
今回紹介するグランマンマーレは、作中ではポニョのお母さんとして登場します。
謎に包まれたグランマーレの正体は、本当にポニョのお母さんなのでしょうか?
チョウチンアンコウが真の姿といった噂もあるようです。
そもそも、名前になっているグランマンマーレの意味が何なのか気になりますよね。
また、グランマンマーレがポニョから怖いと言われている理由も一緒に考察していきましょう。
グランマンマーレの正体はポニョのお母さん?
グランマンマーレはポニョのお母さんです。
しかし、グランマンマーレは海そのものの母親なので、ポニョやポニョの父親であるフジモトのような存在が海にたくさんいるのでしょう。
一夫多妻の反対、一妻多夫ということですね。
そして海の神様のような存在なので誰も独占することはできず、フジモトやポニョとは別居しています。
フジモトの乗っている船にやって来たときは、巨大な姿のままでフジモトとの距離を感じますよね。
でもフジモトにポニョを人間にしようと説得しているときには、フジモトと同じサイズに変化して距離を縮めているように思えます。
自分とは普段距離をとっている人から手を握ってお願いされると、誰でも判断基準が緩くなってしまいますよね。
グランマンマーレは魔法使いのため、ポニョも魔法を使うことができます。
しかも、グランマーレが使える魔法の威力は強力です。
ポニョを人間の姿にできるくらいなので、自分の体は自由自在に操れるのでしょう。
動かない船を動かせるようにしたり、遠く離れた宗介の部屋の明かりを消すことができたり、さらにはおばあちゃんたちの動かない足を治したのです。
ポニョだけのお母さんではないですが、ポニョに対してもしっかりと愛があるように感じられました。
離れて暮らしていても、ほったらかしにするのではなく娘のしたいことを自由にさせてあげるといった母親らしいところもあります。
だからポニョは、あまり会えなくてもお母さんのことが大好きなのでしょう。
グランマンマーレの意味、モデルは?
グランマンマーレは「海なる母」と言われており、名前自体は「大いなる母」という意味を持っています。
グランは英語で「大きい」こと、マンマーレはイタリア語のマンマとマードレを組み合わせた言葉でどちらも「母親」です。
グランマンマーレは海全体の母親なので、海にふさわしいこの名前がついたと考えられます。
グランマーレの大きな体や海の女神であることが、名前の象徴になっているのでしょう。
広く大きな海にたった1人の母親にぴったりな名前ですよね。
グランマンマーレのモデルになったのは、ウィリアム・シェイクスピアの作品「ハムレット」に登場する女性オフィーリアです。
崖の上のポニョのグランマンマーレの見るとジョン·エバレット·ミレーの『オフィーリア』を思い出すが pic.twitter.com/2rVCBLbw3H
— 夛趣民(たしゅみん:エンジョイ系ガチ勢) (@tashumindesu) May 6, 2022
ジョン・エヴァレット・ミレイ作の絵画では、オフィーリアが歌いながら川で亡くなる姿が有名ですよね。
その絵画は、オフィーリアの美しい顔立ちや川の風景が称賛されていますが、私は歌いながら亡くなっていく姿というのは不気味だと感じてしまいました。
ほかにも、オフィーリアが川で仰向けになっている姿が、背泳ぎで移動するグランマーレのモチーフになっているのも納得できますよね。
グランマーレは怖い?チョウチンアンコウってホント?
グランマーレの真の姿はチョウチンアンコウです。
ポニョがグランマーレを怖いと言っているのは、チョウチンアンコウが恐ろしい生き物だと思っているからでしょう。
宮崎駿監督は「続・風の帰る場所」の書籍で、グランマンマーレの真の姿は「アンコウ」と公言していました。
チョウチンアンコウのメスは、オスの10倍もの大きさをしています。
それは、オスがメスの体に吸収されて皮膚に融合していくから。
メスに吸収されるオスは複数いることもあるので、海の夫たちはグランマンマーレに吸収されていったのでしょう。
グランマンマーレの体が大きな理由はそこにあります。
でも、グランマーレの体長は1km。
そんなアンコウが出てきても画面にどう入れていいかわからないから人間ともとれる姿にし、その代わり大きさは自由自在に変えられる女神に宮崎駿監督が設定したのです。
ポニョは、男性が自分の母親に吸収されている姿を目撃したことがあるのかもしれませんね。
小さいころにそんな奇妙なところを見てしまうと怖い印象が根付いてしまいそうです。
また、グランマンマーレは華やかで溢れ出る美貌の持ち主で女性としてもかなり魅力的。
男性が自分に寄ってくることがわかっているので、今までにも言い寄ってきたたくさんの男性を吸収してきたとも考えられるでしょう。
『崖の上のポニョ』のグランマンマーレ(ポニョのお母さん)の正体は醜いチョウチンアンコウで、あの美女のような姿は本体ではなく人間の男を誑かすために突出した擬似餌らしいけど、人間の本体が脳と神経だとするなら我々もグランマンマーレのように擬似餌をつけて人間を装ってるだけなのかもしれない
— タカハシ(open) (@hustleeeee_open) October 5, 2020
実際、現実にも男性心を心得ている女性はたくさんいます。
そういった女性はやはりモテますし、男性の喜ばせ方もわかっているのです。
これにも小悪魔的に「怖い」と言われている理由が含まれているのかもしれませんね。
グランマンマーレ まとめ
・グランマンマーレは「壮大な母」という意味がある。
・グランマンマーレの真の姿がチョウチンアンコウなので、ポニョに怖いと言われている。
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