ハウルの動く城|カルシファー声優 我修院達也の起用は監督からのオファーだった!

ハウルの動く城
引用:https://www.ghibli.jp/works/howl/
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2004年公開『ハウルの動く城』に登場するカルシファーはとても独特な魅力ある声をしているキャラクターですよね。

カルシファーの声優は、かつてモノマネ芸人"若人あきら"としてブレイクした我修院達也さんです。

声優起用のきっかけは、宮崎駿監督からオファーによるもの。

そして『千と千尋の神隠し』のカエルの声も演じている人でした!

カルシファーは、この映画の原作である、イギリスの人気作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズの「魔法使いハウルと火の悪魔」にも登場する"火の悪魔"ですが、題名にもなるほど、物語においてはとても重要な役目を果たしているキャラクターです。

ハウルとカルシファーの契約も気になるところですが、今回は、カルシファーの可愛さを引き出した、キャスト声優の我修院達也さんについてお伝えします。




ハウルの動く城|カルシファー声優 我修院達也さんはどんな人?

我修院達也(がしゅういん たつや)さん

1950年東京都生まれ、1956年(6歳)に映画『異母兄弟』で子役デビュー(当時の芸名:菅野彰雄)。母親が元女優だったことがデビューのきっかけとなっているようで、そのほか映画『私は貝になりたい』(1959年)やテレビ番組『少年ジェット』『怪人二十面相』など有名な作品に出演され活躍されていました。

1968年(18歳)には芸名「桜一平」で演歌歌手デビュー、その後「若戸章(わかど あきら)」「若人あきら(わかと あきら)」と何度か改名を繰り返しましたが、1993年「我修院達也」に改名し現在に至ります。

なんでも「我修院達也」という芸名は、経文から引用してつけたもので、改名の依頼を菩提寺の住職にお願いしたという経緯があり、ご本人は今後改名はしないと誓っているそうです。

我修院達也さんといえば、当時、若人あきらの芸名で郷ひろみのものまねが大ブレイクし『オレたちひょうきん族』(フジテレビ)をはじめとしたバラエティー番組に出演されるなど、多数のレギュラー番組で活躍されていました。

また、若い方で、我修院達也さんと聞いて、ピンとくる方は、1999年公開の映画『鮫肌男と桃尻女』での"殺し屋の山田"山田正一役が印象深いのではないでしょうか?

この作品では、難しい役を見事に演じられ"怪演"とも評されるほど、我修院さんの俳優としての地位を確立させた作品です。

実はこの作品が、我修院さんの声優としてのお仕事のきっかけにもなる代表作となっています。



ハウル|カルシファーの声優は、ものまねでブレイクしたが・・・

1980年代"若人あきら"で活躍されていた当時は、眉毛の太さも郷ひろみのイメージに似ているとか、とにかく歌がダントツ上手いことで、ある歌番組に郷ひろみの代役として出演されたことがあるなど、実力があるが故のすごいエピソードもあります。

しかし、ものまねで大ブレイクしたことが原因で、心を患ってしまうようです。

幼い時から芸能の道をあゆみ、すでに10代で作曲家(北原じゅん氏)に師事し歌や作曲・編曲を学んでいました。そして演歌歌手をしながら先輩歌手の前座として全国を巡業する中で披露したものまね芸が人気を集め始めます。

この頃はまだ、シンガーソングライターという名前すらない時代。歌・作詞・作曲などの実力がありながらも世の中から"ものまねだけで注目される"ことにストレスを感じ始めたのでしょうか、心が不安定な日々を過ごすようになりました。

その後、きっぱりとものまねのお仕事を断り、シンガーソングライターとして活動を広げていきます。

ところが、1991年に熱海で釣りをしていたとき事故に遭い、記憶障害になってしまいます。

そして、病気が回復したのち、1993年に「我修院達也」と改名されました。

 

いまや、ものまね番組はお茶の間を賑わす番組として人気ですが、ものまねを芸として確立させたレジェンドといっても過言ではない我修院さんの活動の裏には、このような心の葛藤があったのかと気付かされました。

実力があるが故の心のバランスの崩れとも感じますが、我修院さん自身が"自分は自分らしく生きていけばいいんだ"と考えられるようになり、自分の強みを生かして活動している姿は、とても心に響くものがあると感じています。



ハウル|カルシファーの声優はオーディションなしで千と千尋の青蛙に!

我修院達也さんにとって、スタジオジブリ作品の初出演は『千と千尋の神隠し』の青蛙役です。

なんでも、映画『鮫肌男と桃尻女』を観た宮崎駿監督からオファーがあったそうです。

そのときのエピソードを取材で語っています。

スタジオジブリからオファーが来たんです。オーディションもなく、最初から〈青蛙〉役には僕が決まってました。ジブリに伺って宮崎駿監督に「はじめまして」とご挨拶をしたら、「ごめんなさいね、人間の役じゃなくて」と仰って(笑)。で、「どういう声質でやったらいいですかね?」と尋ねたら、「あなた、なにかの映画で変わった殺し屋の役をやっていたでしょう? あれのキーをもうちょっと高くしてやってもらいたいんだけど」と。

引用:文春オンライン

人間以外の声を演じたことがない我修院さんは戸惑い、カエルのぬいぐるみを持ち込んで収録に臨んだそうですが、そこはさすがプロ!見事に演じていますよね。

その3年後『ハウルの動く城』のカルシファーの収録の際には、宮崎駿監督から、さらに難しいオーダーが。

それは"青蛙と同じ声ではなく、かつ我修院さんであることがわからないとダメ"というもの。

カルシファーがどんなキャラクターなのかもわからなかった我修院さんは"火の悪魔"と聞いてさらに困惑、しかも宮崎駿監督からは、子どもが喜ぶように、かわいく!なんてオーダーも。

そして、監督から"あなたに任せます!"とのことで演じた我修院さん。

 

結果はどうでしょう。

少なくとも、我が家の子どもは、カルシファーのことを"かわいい"と表現していますよ。



まとめ

映画『鮫肌男と桃尻女』の出演がきっかけで、スタジオジブリからオファーがあった我修院達也さん。ひとつひとつの仕事を大事にして芸の道に尽力することは、いつか実を結ぶものなんだなぁと感じました。

『千と千尋の神隠し』の青蛙、『ハウルの動く城』のカルシファー役を務めたことで、その後もさまざまな声優のお仕事で活躍されています。

周りに流されず、自分の強みを見つけてその道に邁進することが、いかに大切かを我修院達也さんから学ばせてもらいました。

 

そのほか『ハウルの動く城』の魅力あるキャスト声優陣については、こちらをどうぞ!

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