『天空の城ラピュタ』の歌といえば、エンディングに流れる「君をのせて」がとても印象的です。
我が家でも子どもが「君をのせて」が大好きで、作品を観た後はしばらく歌っています。(笑)
今回は、ラピュタの歌として有名な「君をのせて」の歌詞の意味についてご紹介します。
では一緒に見ていきましょう!
ラピュタの歌(曲)歌詞の意味|原曲は歌詞がなかった!?
実は「君をのせて」には原曲がありました。それは『天空の城ラピュタ』のイメージアルバムに収められている「シータとパズー」という曲です。
この曲は二人のテーマとして劇中でも、さまざまなシーンで使われており、あの有名な呪文を二人で唱える「バルス」のシーンでは、子どもたちがスキャットで歌っています。
この曲を『天空の城ラピュタ』のプロデューサーであった高畑勲さんは、ラストシーンに使う際"物語に有機的に結びついたものでなければならない"と考えました。
よくアニメーション映画にありがちな、エンディング用の曲としてその筋の作詞家に頼むのではないパターンを考えだしたということですね。
そこで高畑勲さんは「主題歌を入れるとしたらどんなことを云いたいかメモでもいいので書いてくれ」と宮崎駿監督に依頼をするのです。
宮崎駿監督が書いた詞を、高畑勲さんと久石譲さんが補作して、さらに原曲の「シータとパズー」も、中間のサビ部分の加筆を久石譲さんがやって「君をのせて」が誕生したのです。
ラピュタの歌「君をのせて」を聴いていると、シータとパズーのシーンが目に浮かぶのは、このような経緯で作られたからだということに気づきます。
改めて、歌詞の内容を噛み締めながら作品を観ると、違った見方ができるかもしれません。
ラピュタの歌(曲)歌詞の意味|テーマは家族への熱い想い!?
物語と結びついている歌詞であるということがわかったところで、次は歌詞の意味を考える上で大切な"何をテーマにしているのか"を考えてみたいと思います。
テーマの一つとして、家族愛・家族との絆をテーマにしているのではと考えました。
劇中でも登場しましたが、パズーの父親は"天空の城ラピュタを見た"と語ったことで、詐欺師のような汚名を着せられたまま亡くなりました。
パズーにとっては、そのことがとても悔しく"なんとしてもラピュタを見つけるんだ!"との固い意思でオーニソプターという飛行機を作りラピュタを探しに行こうとしていました。
歌詞に込められた想いには、パズーが父親の濡れ衣を晴らすという気持ちが込められているのでしょう。
その次の歌詞には、母親のことも書かれています。
劇中では特にお母さんのことについては触れられていませんが、パズーの部屋にお母さんと思われる写真が飾られています。
父親の写真の下にあるのはパズーの母親の写真です。
絵コンテに注釈があるので間違いがないです。#天空の城ラピュタ #ラピュタ pic.twitter.com/70Qj5kvP0H— キャッスル@ジブリフリーク (@castle_gtm) September 29, 2017
パズーは、そのお母さんの優しいまなざしに支えながら、たくましく生きてきたのでしょうね。
小説版「天空の城ラピュタ」には"数年前、父親に次いで母まで亡くし、幼くして天涯孤独になったパズー"との一文があります。
お父さんが亡くなって以降、お母さんはパズーの「父さんは詐欺なんかじゃない」という熱い想いを、あたたかく見守ってくれていたことがわかります。
ラピュタの歌(曲)歌詞の意味|テーマはシータとパズー
宮崎駿監督が二人のテーマとして「シータとパズー」という曲に歌詞を付けたのですから、やはりテーマは"シータとパズー"は外せませんね。
ではどのあたりがシータで、パズーなのでしょうか?
歌詞中に出てくる「君」はシータのことと思われます。
ということは、パズー目線でパズーとシータのことが歌われていると推測できますね。
ぼくは「パズー」となると、ぼくらは「シータとパズー」と解釈できるでしょう。
ラピュタの歌(曲)歌詞の意味・歌手はだれ?
ではここで「君をのせて」の歌手をご紹介しましょう。
井上あずみさんです。
井上あずみさんは、この「君をのせて」のオーディションに合格して歌唱することになりました。
そして『天空の城ラピュタ』での参加がきっかけで『となりのトトロ』の歌である「さんぽ」の歌唱もすることになった、ジブリ作品にはなくてはならない方なのです。
井上あずみさんがジブリ作品に参加されるまでの経緯や、現在のご活躍ぶりについては、こちらの記事でご紹介しています!
ラピュタの歌(曲)歌詞の意味|まとめ
宮崎駿監督が少年の頃から構想をあたためていたといわれている『天空の城ラピュタ』。
高畑勲プロデューサーが宮崎駿監督に"詞を付けて"が言わなければ「君をのせて」が出来ていなかったことを考えると、とても奇跡的ですよね。
作品のクライマックスには欠かせない「君をのせて」。
ぜひ、こんなエピソードを思い出しながら、また作品を楽しんでみませんか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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