『紅の豚』のポルコの顔は「なぜ豚になったのか?」について、考えてみたいと思います。
とはいえ、宮崎駿監督もなぜ豚なのか?の質問に答えられずにいるようなので"そこのところは疑問に持たず"ストーリーを楽しみたい!というのが、私の個人的な感想です。
しかし『紅の豚』を観ていると、必ず付きまとうのが「なぜ豚なの?」という疑問だと思うんですよね。
今回は、みんなが疑問に思っている「ポルコはなぜ豚に?」の疑問について考察して参ります。
『紅の豚』なぜ豚の顔なのか?原作は漫画「飛行艇時代」
1992年に公開されたスタジオジブリ作品『紅の豚』の原作は、宮崎駿監督が模型雑誌 月刊モデルグラフィックスに1984年11月から1992年12月まで連載していた短編漫画「飛行艇時代」の一部です。
紅の豚シリーズとして、1990年3月〜5月に連載されていた部分が映画化されました。
では、宮崎駿監督はその当時、どのようなお仕事をされていたのか?
劇場用アニメ作品の公開年を見てみると、
『風の谷のナウシカ』(1984年)
『天空の城ラピュタ』(1986年)
『となりのトトロ』(1990年)
『魔女の宅急便』(1989年)
スタジオジブリを一躍有名にした作品ばかりですね。
これらの映画制作をしながら、模型雑誌の連載漫画を描くということは、ある意味、宮崎駿監督のライフワークといえるのが「飛行艇時代」だったのではと感じます。
ご本人も、映画『紅の豚』については、趣味や道楽で作ったと語っています。
ちなみに「飛行艇時代」には、映画に登場するマダム・ジーナはキャスティングされておらず、映画のみのキャラクターなんですよ。
『紅の豚』なぜ豚の顔なのか?は聞くだけ野暮なこと?
では、いよいよ"ポルコが豚である理由"について迫ってみましょう!
原作漫画「飛行艇時代」では、なぜポルコは豚なのか?について何も触れられていません。
原作でポルコは、最初っから最後まで豚でフィオと恋仲ですが、映画のようにキスをして顔が・・・
などというストーリーもないのです。
原作漫画「飛行艇時代」をみて"これを映画にしましょう!"と語ったのは鈴木敏夫プロデューサーです。
その鈴木プロデューサーが「なんで豚なんですか?」と聞いたところ「なんで豚なんでしょうねぇ」と回答した宮崎駿監督。
この時すでに「飛行艇時代」の紅の豚シリーズを映画化する話が出ていたと思われますが、映画をPRする側の鈴木敏夫プロデューサーが、視聴者が持つであろう疑問を監督に投げかけたのは当然のお仕事ですよね。
それから宮崎駿監督は、周りのスタッフなどに"なぜ豚なのか?"と質問するようになり、そこで初めて"自分で自分に魔法をかけたらしい"という設定が出来上がったのだそうです。
宮崎駿監督って、映画のストーリーを"作りながら考えていく"方であるということは、ファンの間では有名な話です。
絵コンテ(映画の設計図のようなもの)も、ストーリーを考えながら作っています。
最初から最後まで、ストーリーが出来上がった状態でアニメーションにするのではない!という宮崎駿監督の制作手法に、初めて聞いた時はびっくりしました。
そして、宮崎駿監督の息子である宮崎吾朗監督も「宮崎駿は理屈じゃないところで映画を作る人、天才的である」と語っています。
天才ってホント、私たち凡人には計り知れない次元にいるんですね。
原作漫画「飛行艇時代」では、ポルコは普通に豚であり、恋仲になるフィオもポルコが豚であることに疑問を持っていません。
と、いうことは!
この「飛行艇時代」を見る限りなぜ『紅の豚』のポルコは豚なのか?の理由は"聞くだけ野暮"ということです。
原作を見たから言うわけではありませんが、そもそも私は、ポルコが豚であることに疑問を持たず"かっこいい"ほうに気持ちを持っていかれたタイプなんですよね(笑)。
しかし、『紅の豚』ってどこが良いのかわからない!という声も世の中にはあるのです。
それは、なぜ豚なのかの説明がないからわからないと解釈する視聴者なのだと感じています。
みなさんは、この原作や映画化までのエピソードを聞いてどのように思われますか?
映画『紅の豚』では、ポルコがなぜ豚か?について人間社会に嫌気が刺したことで、豚になるよう自分で自分に魔法をかけたという設定にされています。
しかしこれも、後から設定されたことなので、なぜ豚か?の真意からはズレているような気もしますが、それはそれでスッキリしますね。
『紅の豚』なぜ豚の顔なのか?|まとめ
・原作では、なぜポルコが豚の顔をしているかの説明は一切ない。
・そもそも原作では、そこを疑問視していない。
・映画化にあたり"自分で自分に魔法をかけた"という設定にした。
宮崎駿監督が原作の作品は、そのほか『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』などがありますが、
『風の谷のナウシカ』については、原作漫画(全7巻)があります。
映画となったのはそのうちのごく一部です。
我が家でも子どもが「映画よりおもしろい」と読んでいます。
宮崎駿監督の才能に触れるためにも、原作本を読んでみませんか?お勧めです。
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