1992年公開の映画『紅の豚』に登場するマダム・ジーナ。
とーってもステキすぎるご婦人です!
『紅の豚』は劇場公開以降テレビで10回以上放送されていますが、初回(1993年)の20%超えを皮切りに、いずれも10%以上の視聴率を誇る大人気のジブリ作品です。
大人気といっても、これまでは子ども向けというイメージが強いスタジオジブリ作品ですが、この映画『紅の豚』について原作・脚本を手がけた宮崎駿監督は、
"大人のための映画である"という趣旨のコメントしています。
まだこの映画を観たことのない人に「どんな映画なの?」と聞かれたら、私は迷わず
"カッコいい豚になった男の切ない恋物語なの"と答えると思います。(笑)
ここで、簡単に映画『紅の豚』のあらすじをご紹介!
主人公はポルコ・ロッソ(Porco Rosso キャスト声優:森山周一郎さん)豚の顔をした飛行艇乗りです。1920年代のイタリアを舞台としており、時代背景によってポルコはイタリア空軍に追われる身となっています。
「カッコイイとは、こういうことさ。」
スタジオジブリ作品ではお馴染みの糸井重里氏が映画『紅の豚』につけたキャッチコピーです。
たしかに!映画を観たら「そうそう、そうゆうことなのよね〜」と思うのですが、
これからご覧になる方にとっては、いまいちピンと来ないのではないでしょうか?
では、
「飛ばねぇ豚はただの豚だ」
いかがでしょう?このセリフなら聞いたことがあるのでは?
今回は、そんなカッコいいポルコが恋に落ちた??ジーナの魅力に迫ってみたいと思います!
紅の豚|ジーナってどんな人?
いろいろお話しする前に、まずはジーナについてご紹介しますね。
マダム・ジーナ(Gina)
イタリアのアドリア海に浮かぶ島で、ホテル・アドリアーノを経営する実業家です。ポルコに想いを寄せていますが、これまでに夫を三人亡くしており、いずれも前夫が飛行艇乗りだったためポルコに対しても
"飛行艇乗りの自由奔放さ、やんちゃ"を理解しながらも、
"もう悲しい思いはしたくない"という彼の身を案じる姿など、
これまでの人生で抱えてきたものを醸成させ、いつも遠くからポルコを見守っています。
持ち前の美貌で、空賊を含めた多くの飛行艇乗りたちのマドンナ的存在なんです!
「アドリア海の飛行艇乗りは、みんなジーナに一度は恋をする」
こんなふうに言われています。(無理だろうけど、私も一度は言われてみたいっ!)
紅の豚|ジーナの年齢は何歳?
これが、はっきりと公式に示されているものがないのです。ポルコの年齢が、公式では"1892-1893年生まれの36歳"となっており、ジーナはポルコと幼馴染みという設定なので、おおよそ30代半ばというところでしょうか?
若い頃の二人が、飛行艇に乗るシーンはとても印象的ですよね!
豚じゃないポルコと可愛らしいジーナから伝わるドキドキのシーンは、一緒に観ていた子どもにも伝わるようで、ニヤニヤしながら観ていました。
それにしても、30代半ばでジーナの大人の女性としての貫禄!すごいし憧れでもありますよね。
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紅の豚|ジーナの髪型がとてもステキ!気になるモデルは誰?
マダム・ジーナのモデルは、1950年代イタリアで活躍した歌手
ジーナ・ロロブリジーダではないかと噂されています。
1960年代には日本のテレビ番組にも出演したことがるイタリアの女優。フォトジャーナリストや彫刻家としても活躍されています。
たしかに!その方の写真をみると、ショートボブでスタイル抜群!映画『紅の豚』のジーナを思わせるステキな女性です。
そのほかには、宮崎駿監督の身近にいる女性がモデルとなっているのではないか?ともいわれています。
それって誰だろう?って思いませんか。
ジブリの教科書7『紅の豚』では、映画の制作に携わったスタジオジブリの女性スタッフ数名がジーナのモデルについて座談会形式で話をしています。
その中では、手持ちの女性の種類が限られていて、自分の身近にジーナのような人がいないから描けなくて大変!と宮崎監督が話していたと語っています。
そして、ジーナのモデルについては、
加藤登紀子さんかな?とか、色彩設計の保田道代さんや原画の篠原征子さん?など、宮崎駿監督の身近にいた女性スタッフの名前を挙げていました。
名前の挙がった女性は、芯のしっかりした大人の雰囲気を持っている女性ばかり。
宮崎駿監督はいつもご自身の身近にいる方をイメージしてキャラクターを作るので、きっとそれらの女性を総合して出来上がったのがジーナではないかしら?との見方も。
なるほど、『紅の豚』の舞台であるイタリアや時代背景、そして仕事ができる女性として宮崎駿監督のそばでご活躍されていた方々のイメージをひとまとめにしたのがジーナなのかもしれませんね。
紅の豚|ジーナのイヤリングや服帽子など光るファッションセンス!
一番好きなジーナのファッションを教えて!と聞かれたら、私は迷わず
"ポルコを庭で待つシーン"の真っ白なワンピース!がファイナルアンサーです。
帽子や手袋も白で統一しパープルのイヤリングなどでアクセントをつけ、センスの良さが伺える1着かなと勝手に思っています(笑)
そのほか、
シャンソンを歌うシーン
飛行艇に乗り、イタリア空軍が来ることを伝えに行くシーン
それぞれのTPOに合わせた、女性というものを武器にでもするようなハイセンスな服装が、この映画に花を添えている気がします。
https://ghib-mori.com/kurena-uta-3082
ジーナ メイクを変えてる!?ポルコを待つ女心に可愛い一面をみせる?
前出の"ポルコを庭で待つシーン"
このシーンのとき、ジーナのメイクってなんとなく甘めに感じませんか?
口紅も夜の雰囲気とはちょっと違ってスイートなカラーに見える気が・・・
もちろんお店でシャンソンを歌う時と、日中プライベートで"愛する男を待つ"時とでメイクが違うのは当然ですよね。
ポルコが日中私の元に来て欲しい!と願うジーナの想いがメイクに現れていると思うと、ちょっと親近感が沸きますね。
紅の豚|ジーナのまとめ
実は、ジーナというキャラクターは『紅の豚』の原型となる宮崎駿監督の漫画「飛行艇時代」には登場しないキャラクターなのです。
宮崎駿監督による『紅の豚』演出覚え書きには、次のように記されています。
少年少女達や、おばさまたちにも楽しめる作品でなければならないが、まずもって、この作品が「疲れて脳細胞が豆腐になった中年男のための、マンガ映画」であることを忘れてはならない。
ジーナは"おばさまたち"が理想とするような女性であり"中年男"の憧れでもあるキャラクター。
言い換えると、宮崎駿監督が思い描く女性像なのかも。
ポルコをはじめとした魅力あるキャラクターが多い『紅の豚』ですが、女性像としてのジーナという視点で映画を観てみるのも、また違った楽しみ方ができるのかもしれませんね。
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