『天空の城ラピュタ』に登場する呪文で、おばあさんがシータに伝えているあのシーンにある呪文。
子どもが突然「ラピュタの呪文、リーテ・・・その先なんだっけ?」と聞かれた母はアタフタ(汗)。
「そこ、気になるか?」と思いながらも、調べてみるととても興味深い意味があったのです。
今回は『天空の城ラピュタ』の呪文やその意味などについて解説していきたいと思います。
『天空の城ラピュタ』の呪文|リーテの先は何て言ってる?
『天空の城ラピュタ』で最初に呪文が登場するシーンは、シータがムスカに囚われているときです。
シータはおばあさんに、この呪文を「困った時に唱えるんだよ」と教わっていたものでした。
「リーテ・ラトバリタ・ウルス アリアロス・バル・ネトリール」
シータの回想シーンは、両親のいないシータにとって唯一身内が登場する印象的なシーン。
幼いシータが、おばあさんに抱かれながらお話を聞いている姿は、とても可愛らしいですね。
この呪文をシータが幽閉された部屋で唱えたことで、飛行石が光り出しました。
このシータの表情を見みて私は感じました。
シータは初めてこの呪文「リーテ・ラトバリタ・ウルス アリアロス・バル・ネトリール」を唱えたんだということです。
言い換えれば"これまで困ったことは起こらなかった"ということなんですよね。
「小説 天空の城ラピュタ 前篇・後篇」では、シータはムスカに連れ去られるまで、とてもつつましく穏やかに暮らしていたことが描かれています。
『天空の城ラピュタ』の呪文って、そもそも何語?
『天空の城ラピュタ』の呪文はそもそも何語なのか、考えたことありますか?
劇中では「ラピュタ語」と呼ばれ、シータの本名について、ムスカが語っているシーンがありますね。
シータの本当の名前は、
「リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ」
ラピュタ語で、トエル は「真 まこと」、ウル は「王」という意味です。
「シータは、ラピュタの真(まことの)の王」ということですね。
シータの名前の由来や本名の意味についてはこちらでも深掘りしています!
ネット上では、呪文をはじめとしたラピュタ語は"何語"を由来としているのか?との議論が交わされているようです。
ラピュタの呪文はトルコ語?
まずは"トルコ語説"です。
それはなぜかというと『天空の城ラピュタ』で呪文といえば「バルス」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
この「バルス」、実はトルコ語に「バルシュ」という言葉があります。
「バルシュ」はトルコ語で"平和"を意味します。
『天空の城ラピュタ』で「バルス」は"閉じよ"、いわゆる滅びの言葉とされています。
それなら、意味が逆じゃないの?と考えたくなりますよね。
でも、ストーリーとしては"ラピュタが崩壊したことで平和になった"との解釈から、トルコ語説があるようです。
とても深い解釈ですよね。
ラピュタの呪文が何語か?と思いを巡らすことも、トルコ語の意味を知ってまでもさまざまな解釈で作品を鑑賞できるのは、ジブリ作品の特徴ではないかと思います。
ラピュタの呪文は何語でもない
このように、ラピュタ語は何語か?という疑問にさまざまな解釈が生まれていますが、
実は、何語でもない!のです。
宮崎駿監督は『天空の城ラピュタ』で使われている、いわゆるラピュタ語について、
「口から出まかせである」と語っているのです。
えっ!?出まかせって・・・ビックリしませんか?あまりに良くできている出まかせだから(笑)。
出まかせと言いつつ宮崎駿駿監督は、影響を受けた言語は"ケルト語"と語っています。
ケルト語とは、もともと広くヨーロッパに栄えていた"ケルト人"によって使われていた言語です。
たしかに!
『天空の城ラピュタ』の舞台は欧州で、公式にスタジオジブリが"制作にあたり大いに参考にした場所"として「イギリス・ウェールズ地方」を挙げています。
なるべく、英語じゃなく日本語にもならないようにと考えた結果、ケルト人が使っていた"ケルト語"をイメージする宮崎駿監督の凄さに驚愕です。
そしてラピュタ語が何語か?を考えながらも世界史の勉強ができるジブリ作品、いいですね!
ラピュタの呪文を出まかせとは言わせない漫画がある!?
実は「バルス」については"トルコ語説"以外に、もうひとつの説があります。
それは、漫画家 諸星大二郎氏の「マッドメン」に登場する、飛行機を意味する「バルス」という言葉です。
諸星大二郎氏の漫画はとても特徴的で"他の漫画では見たことない絵柄"と感じさせる緻密さです。
そして、宮崎駿監督や高畑勲監督に多大なる影響を与えたと言わしめる納得のストーリーなのです。
宮崎駿監督は諸星大二郎氏の漫画を絶賛していたというエピソードがあります。
また飛行機マニアである宮崎駿監督が飛行機を意味する「バルス」に着想を得たと考えると、納得してしまいます。
『天空の城ラピュタ』の呪文の意味は?
ではいよいよ『天空の城ラピュタ』に登場する呪文の意味について解説していきます。
「リーテ・ラトバリタ・ウルス アリアロス・バル・ネトリール」
意味は、次の通りです。
「リーテ・ラトバリタ・ウルス」 → 「我を助けよ」
「アリアロス・バル・ネトリール」 → 「光よよみがえれ」
この呪文を王であるシータが唱えたことで飛行石の力がよみがえり、王を守る任務を担っているロボット兵が覚醒し出すのです。
呪文の意味「我を助けよ」を理解すると、あの炎の中シータを助けようとするロボット兵の姿が勇ましく思い出されます。
『天空の城ラピュタ』の呪文|まとめ
『天空の城ラピュタ』は、ジブリ作品の中でも人気の高い作品です。
だからこそ、呪文の意味についてはさまざまな解釈がネット上にあるようです。
大好きな作品だからこそ"いろいろ考えたくなる作品"なんだなぁと実感しました。
このようにさまざまな形で、ジブリファンの心に作品が残り次の時代に継承されていくんですね!
「リーテ・ラトバリタ・ウルス アリアロス・バル・ネトリール」
・意味は「我を助けよ 光よよみがえれ」
・パズーとともにシータが唱えた呪文「バルス」の意味は"閉じよ"(滅びの言葉)。
・ラピュタ語は、英語でも日本語でもないものをケルト語から宮崎駿監督が着想を得たもの。
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