『となりのトトロ』のポスターをよーく見たことありますか?トトロのとなりにいる少女が、サツキでもないメイでもないのです。ネットで噂されていたので、あわてて我が家のDVDのジャケットをみたら、
あれれ?
洋服の色で、サツキとすっかり思い込んでいたのですがよく見るとメイのような、でもサツキのような・・・
この女の子は誰?と噂されるのも、なるほどです!
今回は、この少女の謎についてお伝えします。
となりのトトロ ポスターの少女|あの子は誰?
となりのトトロのポスターは、メイをおんぶしたサツキと傘をさしているトトロが並んでいるシーンが浮かぶのではないでしょうか。
では、ポスターをみてみましょう!
お父さんの傘を持った女の子は、洋服がサツキで、顔はメイに見えませんか?
そして、トトロは傘をささずに立っています。
びっくりですね!私は言われるまで、このことに気づかなかったくらいです(笑)。
では、実際映画のシーンでは、お父さんが乗ったバスが来るのを待ちきれず、眠たくなってしまったメイをおんぶするサツキと、傘をさしたトトロが並んで立っています。
この、ポスターと映画の違いは、当初の設定が女の子1人だったからなのです。
ということは、ポスターの女の子は、メイでもなく、サツキでもないということなんですね。
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となりのトトロ ポスターの少女|メイでもサツキでもない
では、なぜ当初1人だった主人公の少女が、2人になってしまったのでしょうか?
これには、いろいろなエピソードがあるようです。では、見ていきましょう!
となりのトトロ ポスターの少女|上映時間を長くするために姉妹が誕生
当時スタジオジブリでは、高畑勲監督と宮崎駿監督の"二本立て制作"を考えていました。高畑勲監督が『火垂るの墓』そして宮崎駿監督が『となりのトトロ』です。
この企画を考えた鈴木敏夫プロデューサーは、それぞれの上映時間を"中編60分ぐらいの作品"と考えていました。
ところが、制作作業が進むにつれ『火垂るの墓』が、どうやら60分を超えて80分ぐらいになるらしい、と聞いた宮崎駿監督が、1人だった主人公の少女を姉妹にする、と言い出したとのこと。
"サツキとメイは、宮崎駿の負けず嫌いの性格から誕生したのです。"と鈴木敏夫プロデューサーが語っています。(ジブリの教科書3 となりのトトロより引用)
ちなみに、当初設定されていた女の子は、メイという名前で5歳でした。
#宮崎駿 監督が最初に思いついたのは「バス停でバスを待っていたらオバケがやってきた」という光景。当初は主人公の女の子は1人だけの設定でした。その後、同時上映になる「火垂るの墓」の上映時間が予定より長くなっていることを知った宮崎監督が、➡️続く#となりのトトロ #トトロ #サツキ #メイ pic.twitter.com/4uFmEYiMQ0
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) August 14, 2020
ちなみに、この上映時間の件ですが『火垂るの墓』は88分になりました。これに対して『となりのトトロ』は86分です。
この"86分"になったエピソードが、とても宮崎駿監督らしいのです。鈴木敏夫プロデューサーが語っています。
(ジブリの教科書3 となりのトトロ より引用)
となりのトトロ ポスターの少女|なぜ姉妹にしなかったのか?
上映時間の関係で、サツキとメイが誕生したというのは、なんともビックリ!なエピソードでしたね。あらためて宮崎駿監督の凄さが感じられるエピソードでした。
であるならば!
ポスターもサツキとメイに描き直すの?とおもいきや"あの服はサツキで顔がメイの女の子"はそのままです。
なぜポスターに姉妹を描かなかったのでしょうか?
このことについても、鈴木敏夫プロデューサーが語っています。
(ジブリの教科書3 となりのトトロ より引用)
"うまくいかないから"という理由で、サツキとメイが合体した女の子がポスターになってしまうんですね。
映画の本編に登場しないキャラクターがポスターに描かれているということが、とても凄いことだと感じたのですが、言い換えれば、宮崎駿監督のトトロに対する"思い入れ"も感じられ、ファンとしてはとても嬉しいエピソードです。
となりのトトロ ポスターの少女の謎|まとめ
子どもと何度も何度も見てきた『となりのトトロ』、制作過程のこんなエピソードを聞くと、また違った視点で映画が楽しめそうです。
・同時上映『火垂るの墓』の上映時間が80分を超えることを聞いた宮崎駿監督が、
主人公の少女を1人から姉妹に変更した。
・当初の主人公の少女は、サツキとメイの合体した女の子だった。
・『となりのトトロ』のポスターの女の子は、当初設定していた主人公の女の子のまま。
・なぜポスターは姉妹にしなかったかは、二人立たせたらうまくいかなかったから。
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