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『海がきこえる』がエモい(ジブリ)あらすじや感想、人気の秘密を紹介!【ネタバレ&レビュー】

海がきこえる
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スタジオジブリ作品『海がきこえる』について今日はアツくご紹介します!

とっても魅力あふれる作品で「ジブリにこんな作品があったんだー」と感じると思います。

今回は、スタジオジブリの隠れた名作『海がきこえる』のあらすじと感想、人気の秘密について迫ります!



『海がきこえる』ってジブリなの?原作者は?監督は?

『海がきこえる』は、1993年5月に日本テレビで放映されました。

小説家の氷室冴子(ひむろ さえこ)さん(1957年-2008年)の小説を原作とした物語です。

監督は『魔法の天使クリィミーマミ』や『めぞん一刻』などの演出・監督で知られる望月智充(もちづき ともみ)さん。

実はこの作品"スタジオジブリ若手制作集団"と銘打った、いわゆるオジさん*抜きで制作されたテレビ用アメニーション作品なんです。

(*オジさんとは、高畑勲・宮崎駿両監督と鈴木敏夫プロデューサーのことであると、DVD特典映像で鈴木敏夫プロデューサーが語っています。)

作画監督は、近藤勝也(こんどう かつや)さんが務めました。

近藤さんは、小説「海がきこえる」が月刊アニメージュに連載されていた当時(1990.2月〜1992.1月)、挿絵を担当していました。

近藤さんは『魔女の宅急便』でキャラクターデザインや作画監督を務めた方でもあります。

 

この『海がきこえる』は、テレビ放映の7ヶ月後(1993年12月)、いくつかの映画館でも上映されました。

さて、この『海がきこえる』は根強いファンが多い作品でもあるのです。

テレビ放映された5月5日には"海がきこえるの日"テキなイベントように、たくさんのツイートが見受けられるんです。

つづいて、あらすじをご紹介していきましょう!



『海がきこえる』あらすじ・ネタバレ

高知県出身の主人公の杜崎拓(もりさき たく)が東京の大学に通い始めた1年の夏休み、

同窓会に出席するために高知へ向かう途中、吉祥寺駅の向かい側のホームに立っていた、

高校の同級生であるヒロイン武藤里伽子(むとう りかこ)を見かけるところから、

回想シーンが始まります。

 

杜崎拓と松野豊(まつの ゆたか)が通っていた中高一貫校(男女共学)で、

中学3年生の修学旅行をめぐり、後に親友となる松野豊を"リスペクト"する

きっかけとなる出来事が起こります。

 

その後、受験を控えた高校2年生のとき武藤里伽子が東京から高知へ転校してきます。

その当日、松野は美人の里伽子に心が奪われたのでしょう。

そのざわつく心を抑えるかのようにバイト中の杜崎を電話で呼び出します。

杜崎は松野の里伽子に対する気持ちに気づき"親友が恋焦がれる女性"として

里伽子を見ることになります。

 

里伽子は、自分の意に反して高知へ引っ越してきたことや高知弁がわからないなど、

さまざまなことが起因してクラスに馴染むことができずにいました。

そんな里伽子を心配する松野豊、松野を軽視するかのような態度を取る武藤里伽子

そんな里伽子に憤慨したり翻弄されていく杜崎拓

3人が織りなす様々な出来事を振り返るという展開で描かれています。

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『海がきこえる』あらすじ|人気の秘密 その1 エモい

『海がきこえる』の"みどころ"として私が感じたのは

杜崎拓と松野豊の"友情を超えた人間愛"でした。

杜崎拓は松野豊をとてもリスペクトしています。

 

もし松野豊が女なら、杜崎拓と結婚しちゃうんじゃないか?

と感じさせるほどの関係だと思いました。

学生時代にこんな友人と出会えるなんて、羨ましいですよね。

一生の財産だと思います。

 

劇中その"松野推し"である杜崎拓のセリフから、その関係がみごとに映し出されています。

そしてもうひとつの"みどころ"は、やはり杜崎拓と武藤里伽子の関係です。

武藤里伽子は、今で言う"ツンデレ"な女の子

それに対し、人として男として、とても器の大きい杜崎拓ですが、

初々しい高校生活の日常を描きながら、大人が観ても深〜く心に響いてくるセリフが多いのも、

この作品の見どころだと思います。

 

ところで、エモいってどんな意味?

よくネットで使われている"エモい"って言葉を知らなかった私(汗)。辞書を引いてみました。

エモい【大辞林 第四版(三省堂)】

感動を意味するエモーション(emotion)から。(主に若者言葉で)心に響く。感動的である。

この"エモい"は、今年の新語2016で第2位だった言葉なんですね。

たしかに!『海がきこえる』を見終えた時の感想は、まさしく"エモい!"でした。

このような心の揺れや感動をアニメーションで表現できるんだー!

って感じたことを今でも覚えています。

 



『海がきこえる』あらすじ|人気の秘密 その2 光の表現がすごい

『海がきこえる』を観ながらすごい!と感じたことの一つが、光の描き方でした。

中学3年生のとき杜崎拓と松野豊が美術室で話すシーンがあります。

この時の教室に刺す窓越しの光がとても美しく、見る側に室温を感じさせるようなリアルさがとても印象的です。

DVD特典映像でも語られているのですが、この作品はファンタジーでもなく、若者たちのスポ根ものでもなく、いわゆる"何も起こらない話"。

日常を描いているシーンが多いからこそ、彼らの心の動きをうまく表現するエッセンスとして、光と影が演出してくれています。

必見です!!(かなり推し)



『海がきこえる』あらすじ|人気の秘密 その3 時の経過の大切さ

杜崎拓と松野豊は親友であるにもかかわらず、武藤里伽子をめぐって仲違いをしたまま高校を卒業します。

仲違いのきっかけは、高校2年生の文化祭での武藤里伽子がきっかけ。

クラスの女子から責められているところを杜崎拓が止めなかったことについて松野豊は憤慨します。

それから二人は会話をすることもなく高校を卒業。

その後、同窓会出席のため高知空港に着いた杜崎拓を車で迎えにきた松野豊が、あのとき殴ったことについて謝り当時を振り返ります。

この仲違いを解決したくれたのが"時間の経過"です。

お互い自分の気持ちを振り返り、素直な気持ちを語るシーンは、とても大好き。

また、杜崎拓と武藤里伽子の関係でも、時間の経過が大きく物語を演出しています。

 

高校時代は、いわゆる"ふたりの東京旅行"がきっかけでお互い話すこともなくなった杜崎拓と武藤里伽子。

この二人も、ラストシーンで当時の気持ちを振り返る描写があります。

若かった当時は気づかなかった、気づけなかったことが"時間の経過"によって気づき、映し出されるという演出がとても心の奥に染み渡る(という表現がピッタリな)ストーリー展開になっています。

 

私が高校時代には気づくことができなかった"世の中には時間が解決してくれることがある"ということをこの映画は、しっかりと伝えてくれています。

 

この作品は、観る側の年齢がいくつなのか?によって、感じ方が違う作品であると思います。

実際ネット上ではさまざまな意見が見受けられます。

 

だからこそ、この作品の良さがあるし、ジブリ作品なのではないかと思うんですよね。

最初観た時には「何がエモいのかわからない」と感じても、ある程度人生経験を重ねてから、再度この作品を観た時に、グーッと心の奥に響いてくるものがあるのではないかと思っています。

 

むかし読んだ本を読み返してみたらグッときた!なんてコトありませんか。

この『海がきこえる』もいろいろな人生経験の中で、立ち止まった時にふと振り返って観てもらいたい作品だと感じています。

スタジオジブリ作品の中でも、また違った切り口で心に残る作品だと私は思ってます。



スタジオジブリ作品『海がきこえる』レビュー

スタジオジブリ作品の『海がきこえる』。

これをきっかけに観てくださる方が増えることを祈りながら記事を書きました。

この作品の良さは一言では語れない、と思っています。

ぜひ恋愛でも職場での人間関係でも何でもいいです、人と人との関わりの中で、自分が何かに迷ったり不安になったりした時には、この作品をヒントにしてほしいと思います。

あらためて、この作品の原作者である氷室冴子さんと、アニメーション映画として世に送り出してくださったスタジオジブリの皆様に感謝申し上げます。

 

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