『思い出のマーニー』十一(といち)の正体は花売りの子かを考察!名前の由来も調査!

思い出のマーニー
引用:https://www.ghibli.jp/works/marnie

『思い出のマーニー』での登場人物の中で、おそらく最もミステリアスな存在であろう十一(といち)。

もしかしたら、名前を聞いても顔が思い出せない方もいらっしゃるかもしれません。

十一は、物語の途中で突然ポッと現れ、ヒロイン杏奈を助け出すヒーローのようにも映ります。

一体、十一は何者なのでしょうか?

十一という名前の由来の真相に迫りつつ、十一の正体を考察していきましょう。




『思い出のマーニー』十一(といち)の正体とは?名前の由来に迫る

『思い出のマーニー』に登場するひげを生やしたボートのおじいさんが十一(といち)です。

十一は、ヒロイン杏奈が満潮により湿っ地屋敷から帰れなくなった際、ボートに乗って助けに来てくれた人物。

そして、『思い出のマーニー』の登場人物の中で最もミステリアスな存在とも言えるでしょう。

杏奈の祖母マーニーが、
幽霊なのか?
幻覚なのか?
または想像なのか?

疑いを払拭できずにいるタイミングで、十一は突然ポッと登場します。

登場のタイミングと十一自身の雰囲気が原因で、ミステリアスなイメージが付いてしまっている人物ですね。

一見、多くを語らない寡黙(かもく)で冷たい雰囲気のおじいさん。

どのくらい静かな人物かというと「十年に一度しか話さない」と言われているほど無口です。

しかし、十一は杏奈が気兼ねなく話せる数少ない人物でもあります。

十一が寡黙な性格にも関わらず、杏奈が話せる人物という状況。

これは、十一が「口では多くを語らないが、代わりに背中や雰囲気で語る人」のたぐいに近いのかもしれません。

一緒にいるだけなのに、なぜか落ち着ける人、いますよね。

 

また、杏奈が困った時に助けに現れたことから、十一は無口でも優しい人であることがわかります。

 

さて、変わった名前である十一の名前の由来を紐解きましょう。

初めて「十一」という漢字を見た際、何と読みましたか?

「といち」を「じゅういち」と読んだ方はいらっしゃいませんか?

あながち間違いではありません。

じつは、十一は、十一番目に生まれた子でした。

 

『思い出のマーニー』の原作(When Marnie Was There)では、ワンタメニー(Wuntermenny)という名前で十一が登場します。

ワンタメニーは、私たちが歴史の時間に聞いたことのある名前、与一(よいち)が由来だという説があります。

与一の意味に、余(よ)分な一(いち)という意味があります。

そのまま英語にすると、one(いち)too many(多すぎ)。

読み方は、one(ワン)too many(トゥーメニー)です。

 

英語では、tooは間に入るとooがほとんど聞こえなくなります。

tだけが残ってワンtメニー。

この音に名前っぽいスペルを当てはめてWuntermenny(ワンタメニー)となっています。

 

誕生の瞬間から余計に生まれてしまったと言われているようで悲しい名前の由来ですね。

おそらく十一は、周りから邪険に扱われながら育ったのでしょう。

十一が無口なのも納得がいきます。

杏奈も暗い過去を抱え、「自分はいらない子」だと思っている点が同じですね。

十一は多くを語りませんが、杏奈の心情を最も理解している人物だと言っても良いでしょう。

杏奈が十一と気兼ねなく話せるというのが何よりの証拠です。



日記で見る十一(といち)とマーニーの関係とは?花売りの子は誰なの?

ひげの生えたボートのおじいさん十一(といち)とヒロイン杏奈の祖母マーニーは、一体どんな関係だったのでしょうか。

一見、二人の間に接点がないように思えますね。

『思い出のマーニー』で杏奈がいつも手がかりとしていた日記に注目してみましょう。

5月31日
「湿っち屋敷の窓から見える位置に男の子たちが遊びに来ていた」

日記の中では、十一らしき男の子のことがこのように綴られています。

もし、幼馴染である和彦のようにマーニーの知っている子が含まれていれば、「和彦たち男の子」と呼んでいることでしょう。

実際は「男の子たち」なので、十一のことを名前は知らないが遊びに来る子の一人として認識していた可能性が高いと言えます。

 

6月3日
杏奈が朗読した日記の内容から、マーニーが夜中に部屋を抜け出して湿地をボートで回ったことがわかります。

杏奈と十一の出会いは、ボートだったことから日記の中で杏奈、十一、マーニーを結び付けているのではないか、と推測することができますね。

 

6月11日
「この間の村の子たちがまた窓の下のところまで来ている。
みんなで小さな男の子をからかっていた。その子が泣き出したので一人の子がお菓子をあげたら泣きやんで食べた。でも、その子がお菓子の袋まで食べてしまったので、みんなはまたからかいはじめた。その子はぜんぜんいいかえさないの。なんだかとてもかわいそうだった。」

5月31日の日記に出てきた男の子たちの具体的な様子が綴られています。

この日に登場するからかわれても何も言い返さない「小さな男の子」が十一のことです。

 

大人になってからの十一の性格と一致していますね。



マーニーが十一の名前を知らない理由として考えられることは2つあります。

 

1つめは、マーニーは、部屋から窓の外を眺めているからです。

ただ男の子たちの様子を観察しているだけだった可能性があります。

2つめは、物理的距離があったからです。

マーニーの部屋から男の子たちの遊んでいる場所を眺めることはできました。

しかし、会話の細部まで聞こえる距離ではないため、全てが聞こえていた環境ではなかった可能性があります。

 

6月12日
「小さな男の子」が訪れます。

おそらく一人でマーニーに会いに来たのでしょう。

このように日記の中からマーニーと十一がお互いに気になる存在であったことは確かですね。

 

もう一つ、幼少期の十一であろうと言われている人物がいます。

それは、屋敷のパーティーでマーニーと一緒にダンスをした花売りの子です。

前髪がもっさりと長く、はっきりと顔はわかりません。

十一であろう小さな男の子が屋敷によく遊びに来ていたという日記の内容や、顔が隠れていることから、状況的には十一の可能性が高そうです。

しかし、よく見るとスカートをはいています。

もし、十一ではなく女の子だとすると、マーニーの親友である久子が最初に思い浮かびます。

ただ、幼少期の久子は、綺麗めなワンピースを着て、マーニーの部屋で遊ぶ様子が描かれています。

久子の服装から裕福な家庭の子であることが想像できますね。

久子が屋敷のパーティーに参加するのであれば、花の売り子ではなくドレスで着飾って登場することでしょう。

また、はっきりと「久子とパーティーで踊った」とマーニーは日記に綴ることでしょう。

よって久子の可能性はなさそうです。



 

では、十一の可能性が高い花の売り子がなぜスカートをはいているのか。

気になりますね。

 

考えられる理由は3つ。

1つめは、名もなき「その他大勢」のキャラクターの1人という理由。

花の売り子が十一でもなく、久子でもなく、知らない女の子だと仮定します。

すると、服装に違和感がなくなります。

しかし、花の売り子という役は、パーティー会場でマーニーと杏奈を繋いでいる重要な存在。

その他大勢の1人だとは考えにくいでしょう。

 

2つめは、人々のイメージからスカートをはくことにしたという理由。

「花」と聞くと、どうしても女の子や女性が扱っているイメージが多くの人の中にあります。

「花の売り子」を想像してみてください。

最初に女の子が思い浮かびませんか。

花の売り子が十一だとすると、スカートは女装ではなく役にはまるための制服である可能性があります。



3つめは、正装をしたという理由。

『思い出のマーニー』の原作(Where Marnie Was There)は、イギリスの作家Joan Gale Robinson(ジョーン・ゲイル・ロビンソン)が手掛けた児童文学です。

スタジオジブリ作品『思い出のマーニー』の舞台は、日本の北海道。

一方、原作はイギリスのNorfork(ノーフォーク州)にあるBurnham Overy(バーナム・オーバリー)が舞台です。

マーニーの父はイギリス人であることから、『思い出のマーニー』でもイギリスの設定が残っていることがわかりますね。

すると、パーティーはイギリス式だったのではないかという仮説が立てられます。

パーティー参加者の服装に注目してみましょう。

ドレスコードがしっかりとあり、どの参加者も綺麗な服に身を包んでいますね。

また、イギリスの正装といえばもう1つ。

スコットランド地方を中心とした伝統的なキルトがあります。

キルトとは、プリーツが入った膝丈くらいの巻きスカートです。

男性がチェック柄(タータン)のスカートを履く印象的な民族衣装ですね。

中学校の英語の教科書にも登場するバグパイプを連想する方も多いのではないでしょうか。

バグパイプとは、袋(bag)と複数の管(pipe)が繋がった大きな笛のような楽器です。

キルトはチェック柄が印象的なスカートですが、最近ではカジュアルなものや無地もあります。

バグパイプの演奏集団の服装を見ると、その多様性や個性がよくわかりますね。

 

『思い出のマーニー』の花の売り子の服装を確認してみましょう。

青いポンチョのフードを深くかぶり、ベージュのプリーツスカートを履いています。

一方、マーニーはピンクのかわいらしいワンピースドレス。

フォーマルな装いです。

服装が合わない二人がダンスをしたようにも感じますね。

しかし、花の売り子の服装がキルトなら話は別。正装です。

ちぐはぐなダンスシーンの印象も変わりますね。

実際のところは、花の売り子について何も明らかにされていません。

ただ、状況から十一が花の売り子として正装し、パーティーに参加したという説が濃厚だと考えられます。



十一(といち)はなぜ屋敷の近くまで行っていたか?

なぜひげの生えたボートのおじいさん十一(といち)は、ボートで湿っ地屋敷を訪れたのでしょうか?

湿っ地屋敷は、何か用事がないと行かないような場所に位置していますね。

その答えは、十一のセリフから推測することができます。

十一は、ヒロイン杏奈に向かってボソッと次のように語りました。

「マーニー。青い窓の向こうに閉じ込められた少女。遠い昔の話だ」

この一言だけで、十一は杏奈の祖母マーニーの当時の様子をよく知っている人物だと言えますね。

また、マーニーを「閉じ込められた」と表現することで、十一の心の奥深くにしまいこんだ思い出と捉えることもできます。

一方、マーニーの日記にも「小さな男の子」として十一のことが何度も登場しています。

十一の名前は日記に出てきません。

しかし、十一が何度も湿っ地屋敷を訪れていたことがわかりますね。

もし、マーニーが家の外に自由に出ることができたなら、十一との関係は大きく違っていたかもしれません。

十一がマーニーのことを「遠い昔の話」と言っていることから、小さな十一の初恋相手がマーニーだったのかも?と考えるのが自然です。

花の売り子として参加していたパーティーでマーニーのダンスの相手をしたのなら、なおさら忘れられない淡い思い出です。

だから十一は大人になってからもマーニーに会いたくて湿っ地屋敷にボートで通っていたのでしょう。

帰れなくなった杏奈と出会えたことも、偶然ではなく必然だったのかもしれません。



『思い出のマーニー』十一(といち) まとめ

いかがでしたか。

十一は生まれたときから、名前に悲しい意味が含まれていましたね。

さらに、周りより身体が小さく、からかわれながら育った環境もかわいそうな印象でした。

生い立ちから十一が寡黙な性格になったのもうなずけます。

だからこそ、心に闇を抱えたヒロイン杏奈が打ち解けられた重要な人物になれたのでしょう。

謎多き十一をよく知ることで、『思い出のマーニー』をさらに理解でき、面白さが増すことは間違いありません。

次回は十一の立場から見ると、新たな発見があるかもしれませんね。

 

『思い出のマーニー』をより深く鑑賞できる記事はこちら♪

思い出のマーニーは意味がわからない話か?解説と考察をしてみた
『思い出のマーニー』は、ジブリ作品の中でも特に評価が極端に割れることで知られています。実際に私の周りで『思い出のマーニー』を一度でも見たことがある方々に感想を聞いてみました。すると、おもしろいくらいに「好き」か「嫌い」かの両極端のみの感想で...
『思い出のマーニー』杏奈は精神病?年齢は何歳?性格はクズ?生い立ち、病気は喘息?目の色からハーフ?クォーター?最後出会えなくなるのなぜ?
『思い出のマーニー』のヒロイン、杏奈(あんな)という名前の女の子。杏奈のセリフは、ジブリじゃないような言葉が多々登場します。『思い出のマーニー』は、ちまたでは好き嫌いが完全に分かれることで有名な作品です。そして、否定派の方々からは、杏奈が人...



コメント

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました