『コクリコ坂から』は、宮崎吾朗監督作品第2作目で、興行収入44.6億円を記録!
なんと、2011年の邦画第1位となった作品です。
また、第35回日本アカデミー賞「最優秀アニメーション作品賞」受賞など評価の高い作品でもあります。
ジブリのキャラクター人気ランキングでは、松崎海(メル)・風間俊ともにトップ10入りするなど、根強いファンが多い作品ということがわかりますよね。
それは、その後のふたりはどうなったの?結婚した?ってことが気になる人が多いからではないかと感じています。
映画では、これからの二人の未来を想像させる素敵なシーンで終わります。
ファンとしてはぜひ結婚して欲しい!と勝手に思い込んでしまいたいたいところ。
では、原作漫画の「コクリコ坂から」のラストはどうなっているんだろう?
と気になったので、調べてみました。
映画『コクリコ坂から』の結末部分に触れています、ご注意くださいね。
コクリコ坂から|その後の二人は結婚する?まずは映画のラストから
山下公園を二人で歩きながら、今後の進路についてメルが俊に聞くシーンで、俊は「うちは貧乏だから国立狙いなんだ」と語っています。
またメルは、受験が俊よりも一年後ということもあるのか「医者になりたいと思っている」と言いながらも、まだ決めていないと語っています。
この日、
水沼と俊そしてメルの3人が徳丸ビルへ行き、徳丸理事長への直訴が実を結びました。
カルチェラタン存続に向けて前進したことで、ホッとしたような二人。
とってもいい雰囲気ですよね!
そしてメルからの告白。
思わず堰を切ったように話し出すメルの姿が、またなんとも良き!
父への思い、俊への思いなど、これまでの感情が汲み取れるようなセリフに胸が熱くなり、私は涙涙で見ていました。
その後、二人の父親である澤村雄一郎の親友 小野寺善雄(おのでら よしお)から真実を聞くことで、メルと俊は前を向き始めます。
そして、メルはこれまでと変わらず、毎日旗を揚げるのです。
メルのセリフにもあるように、メルのお父さんが俊の存在を知らせてくれたのだと思うと、なんともジーンと心に染み入るものがありますよね。
そして、そんなふうに現実を捉えることができるメルも、聡明な、最後まで凛とした女性でした。
映画では、戸籍上、二人の父親は澤村雄一郎ですが、血の繋がりはないことがわかったところで終わっています。
コクリコ坂から|その後の二人は結婚する?原作漫画のラストは?
では、原作の漫画「コクリコ坂から」(作画:高橋千鶴、原作:佐山哲郎)の結末は、どうなっているのでしょうか?
とても気になるところです。
メルと俊の未来を応援したい!と思って映画を見ていたファンも多いのではないでしょうか。
少なからず私もそのひとりです。
ところが、
原作の漫画「コクリコ坂から」も、映画と同じく二人は兄妹ではなかったということで終わっているのです。
原作には、その後の二人の様子が描かれているのでは?と期待をしていただけに、少し残念な気持ちになりました。
では、なぜこのような物語の展開になったのでしょうか?
コクリコ坂から|その後の二人は結婚する?原作が連載打ち切り!?
それには、連載打ち切りが、このような結果になったようなのです。
漫画「コクリコ坂から」(原作:佐山哲郎、作画:高橋千鶴)は、1980年に少女漫画雑誌「なかよし」に連載されていた物語です。
1980年1月から始まった連載が、突然、連載6回目まで行った時"あと2回で連載打ち切り"と決まったそうです。
このことについて、原作者である佐山哲郎さんは次のように語っています。
「大長編にするつもりで伏線を張るだけ張って、これから面白くなるところだったのに・・・・・・」
引用:2011.8.4 週刊文春 より
そんな事情があったのですね。
ただただ、毎月発売されるのを楽しみにしていた当時一読者だった私としては、このお話を聞いて、なんだか少し寂しい気持ちになりました。
たしかに、コクリコファンの中でも「えっ!?これで終わりなの?」と、
突然の連載終了に戸惑いの声があったようです。
コクリコ坂から|その後の二人はどうなる?結婚しないの?
では、連載最終回となる第8回は、どんな話で終わったのでしょうか?
メルと俊が自分たちは兄妹ではない、という真実を知ってから1年後の様子が描かれています。
俊は商船大学に入学し、メルの大学進学については触れられていません。
メルは「みんなにからかわれるくらいニコニコしていたよう、風間さんのそばにいるとそうなってしまうのです」と、幸せそうな様子が描かれています。
コクリコ坂から|映画を見た原作漫画の作画担当 高橋千鶴さんは?
2011年に公開となったスタジオジブリ作品『コクリコ坂から』をご覧になった佐山哲郎さん、高橋千鶴さん。
当時の様子を佐山さんが語っています。
設定が1963年に変わっていますが、ちょうど僕自身が、登場人物と同じ高校生だった時代、当時の風俗が細かく描かれていて、感動しました。試写会の時、作画の高橋千鶴さんは隣で泣いていましたね。
引用:2011.8.4 週刊文春 より
作画を担当された高橋千鶴さんの涙はどんなお気持ちだったのでしょうね。
ロマンアルバム『コクリコ坂から』には高橋千鶴さんのインタビューが収録されています。
その中で高橋さんは、映画公開時、すでに漫画連載から30年以上も経過しているのに、ストーリーをさらに30年前(1963年設定)に遡ることにびっくりしたとのこと。
また、漫画は連載打ち切りで、まとまりきらずに終了したのです。
その作品が、スタジオジブリで映画制作をすると聞いたとき、もちろん内容の変更はあるものと思っていたご様子。
逆にどのような展開になるとか、どこに着地するのかなど、とても楽しみにされていたようですね。
作画担当者としての高橋さんは、当時を振り返り"勉強不足な点もあり、連載をこなしきれなかった"という趣旨の話をしています。
企画・脚本 宮崎駿さん、そして宮崎吾朗監督の作品として『コクリコ坂から』を見た時の涙の意味が、なんとなく汲み取れるような気がします。
コクリコ坂から|その後の二人は結婚する?まとめ
いかがでしたでしょうか?
原作漫画も映画同様、ラストでメルと俊のその後の描写はありませんでしたね。
そして連載打ち切りという事態に、このような結末を迎えることになった原作漫画「コクリコ坂から」。
その後、二人はどうなるか?結婚するのか?については、見た人それぞれの想像に委ねることになりそうです。
原作漫画が連載されていた1980年当時から「コクリコ坂から」を知っていた宮崎駿さん。
映画制作に入るまでの約30年間、ずっと構想を温めていたという事実にあらためて凄さを感じてしまいます。
こちらの記事もオススメ!『コクリコ坂から』をさらに深く鑑賞できます。
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